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2009年8月 8日 (土)

報告書は時限爆弾

首相の私的諮問機関である「安全保障と防衛力に関する懇談会」が、報告書をまとめています。
報告書の全文はコチラ
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ampobouei2/dai11/siryou1.pdf

新聞各紙も内容について報じるとともに、社説でも取り上げています。
米国へのミサイル、迎撃も可能に…安保懇報告書」(読売新聞09年8月4日)
「北朝鮮の対米ミサイル迎撃可能に」安保防衛懇が提唱」(朝日新聞09年8月4日)
北ミサイルに日米共同対処 集団的自衛権行使を勧告 政府安防懇が報告書 武器輸出三原則は緩和」(産経新聞09年8月4日)

防衛有識者会議 大胆な提言を新大綱に生かせ」(読売新聞社説09年8月5日)
安保懇報告―憲法原則踏まえて論戦を」(朝日新聞社説09年8月5日)

ソースをザラっと読み、各紙の報道を見てみると、ニュースそのものに関しては、背景などを踏まえて説明している朝日の記事が一番分かりやすいです。
朝日の社説の方は、専守防衛の堅持と集団的自衛権の行使を認めるなとの立場となっており、予想通りではあります。ただし、社説の結び方は流石にうまい。
以下朝日社説の結び部分です。
********************
「報告書を受け取った麻生首相は、防衛に対する自民党の責任感を強調した。一方の鳩山民主党代表は「政権をとったら我々の視点で見直す」と述べた。だが、政権選択の総選挙で、安全保障政策があいまいなままではならない。憲法原則を含め、民主党の考えをはっきり聞かせてもらいたい。」
********************
確かにその通りですね。

さて、報告書の内容は、リンクを張ったニュースを見るか、時間のある方は全文のリンクを張ってあるのでそちらを見てください。
目玉の内容については、別に記事にします。

今回の記事では、この報告書の影響について考えてみます。
「安全保障と防衛力に関する懇談会」自体は、首相の個人的な諮問機関であるため、この報告書自体は、なんら強制力を持ちません。
そのため、この報告が当初から新大綱や中期防衛力整備計画のベースとなるべく考えられていたものとは言え、民主党が政権を取れば、ひっくり返される可能性は十分にあります。
各紙ともこのことには言及しています。

ですが、防衛計画の大綱の見直しのための布石である今回の報告書は、現政府がアメリカから受けている圧力(要望というべきか)の反映も受けているはずです。懇談会の委員には、学者だけでなく元防衛事務次官の佐藤氏や元統幕議長の竹河内氏なども含まれており、内情を踏まえた議論がされたはずです。

政権が民主に変わったとしても、アメリカの意向が変わったりはしないでしょう。
そうなると、今回の報告書は、年末から年明けにかけて、防衛計画の大綱見直し議論を通じて、民主鳩山政権の時限爆弾になるかもしれません。

なかなか意欲的な内容(集団的自衛権の行使、武器輸出3原則の緩和、国際平和協力に関する恒久法の制定)が含まれた今回の提言は、連立を組む可能性のある社民党には到底受け入れ難いものですし、民主党内左派からも抵抗を受けるでしょう。
鳩山氏がこれらをまとめ上げられなければ、細川政権のように、早期に瓦解するかもしれません。

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コメント

正直なところ微妙なところが。

これは、あくまでも非公式の話でつまりは噂ですが:)、現時点における最大野党のとある方曰く「防衛費(削減)は打ち出の小槌」「いざとなれば防衛費の大幅削減で(ばらまき)の釣りがくる」「防衛費を削ったところで誰からも文句は言われない」と言い切った方々がおられましたので、あまり現実的な対処ができないような気がします。というより、防衛問題は最下位のプライオリティと認識していると思われます。

多少希望も含めた今回の記事だった訳ですが、そこまで言う方がいますか。
まあ、左派の方は社民と変わらない方もいますからね。

右派だったら・・・

防衛費に関しては、悪影響が目に見える形になるまで時間がかかることが多い点が、他の予算項目に比べて不利ですね。
歴史になってから評価されるようでは遅いのですが・・・

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