コレが車力のFBX-Tサイトだ!
先日、記事を書く関係でグーグルの地図を見ていたところ、ちょっとした変化を見つけました。
グーグルマップの航空写真に、車力の米軍FBX-T(AN/TPY-2)サイトがバッチリ写っていたのです。(当然ですが、空自パトリオットのサイトも写っています。)
確か、以前見た折には、地図上でも表記が無く、航空写真も載っていませんでした。
てっきり、グーグルはアメリカ国防総省などから要請を受け、防衛上の配慮から載せていないのだな、と思っていたのですが、どうもそうではなかったようです。
現在も地図上では表記はありませんが、写真については鮮明に写ってます。
こうなると、私が防衛上の配慮をしたところで、無意味ですので、こちらで紹介致します。
車力の米軍FBX-T(AN/TPY-2)サイト
東西幅約200m、南北長約350mというところでしょう。画面外ですが、西端から約500mほどで海岸になります。(東側のバンカー、南側のヘリポートなどは空自のパトリオットサイトです。)
ホントに、これほど施設が必要なのか?と思えるほど、多数の施設が見えます。
おそらく整備、維持に予想以上に手がかかるのではないかと思われます。(車力の気象が過酷なこともあるでしょう。)
単に、米軍が贅沢なのかもしれませんが・・・
当然ながら、撮影時期は分かりません。ですが、勤務者のモノと思われる車両が多数写っていますし、写真が表示されるようになったのは最近のハズですので、恐らく最近の撮影されたモノと思われます。(撮影時刻は影の方向から午後1時か2時頃と推定)
問題のFBX-Tですが、現場を見ておらず(見てたら守秘義務で書けませんが)、確証は持てないものの、レーダーの前面はレーダーハザードがあるため構築物がないだろうと思われること、レーダーマスクを少なくするためマウント上に設置されている可能性が高いであろうこと、レーダーの捜索範囲が500km超であると言われており、車力と北朝鮮の位置関係を考慮すると、北朝鮮上空を監視するのではなく、北朝鮮からアメリカに向けた弾道ミサイルの経路(北朝鮮から北東方向)を監視するため、西に向けて設置されている可能性が高いと思われること、以上の点からサイト南端にある構造物がFBX-Tではないかと思われます。
FBX-Tと思われる構造物
FBX-Tの器材は次の通りで、航空写真のFBX-Tと思われるものは、少々異なっています。
Weapons School様より転載、元データはU.S.ARMY
MDAのHPより
航空写真を見る限り、ANTENNA EQUIPMENT UNITとELECTRONICS EQUIPMENT UNITの間に、テント様の施設が写っています。
おそらく、車力のFBX-Tは半固定運用するということで、整備性などを考慮し、半屋内と言える設置状況(レーダーアレイ面を外に出しながら、アレイ面後方は施設内に繋がっている)のではないかと推測されます。
FBX-Tは、もともとTHAAD用の可般型器材であり、長期連続には難もあることが予想されます。車力でも常時運用されておらず、衛星写真などで弾道ミサイルの発射兆候が見られた場合のみ運用されるのではないか、と思っていたのですが、コレを見ると常時運用が可能な体制が整っている可能性も高そうです。
それだけ、アメリカは北朝鮮の脅威を本気で警戒しているという事だと思われます。
設置方位はほぼ真西、280°程度のようです。やはり、日本の防衛用ではなくアメリカ本土向けミサイルの警戒用ですね。
三沢にある早期警戒情報の受信用装備JTAGSと連接されて運用されているのでしょう。
やっぱり日本は不沈イージス艦と化してますね。(それが悪いとは言いません)
その内に「車力にGBIor地上配備型SM-3を配備したい」なんて話が出ても可笑しくないかもしれません。
to:米軍関係者様
不都合があれば言って下さい。善処します。
(もっとも、グーグルに航空写真を削除させる方が先だと思いますが。)
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