臓器生産
軍事と全然関係ありませんが、興味深いニュースがあったので、取り上げてみました。
「移植用臓器確保で画期的手法、ブタを使ってヒトの臓器を大量生産 」(テクノバーン09年6月5日)
豚臓器を人間に移植しても拒絶反応が起こらないよう遺伝子的に細工を加えた豚を生産し、移植用臓器を作るとのことです。
本来が豚臓器なのか人臓器なのかという点が異なりますが、士郎正宗氏のマンガ「攻殻機動隊2」に移植用臓器を豚で生産するシーンが出ていました。
医療が発展することは喜ばしい事ですが、遺伝子レベルで人間が弱化することにも繋がるでしょうし、果たして望ましいことかは疑問な気もします。
10年一昔と言いますが、SFがあっという間に現実になって来ているようです。私が年をとって、年月の流れを早く感じているだけかもしれませんが・・・
以下、記事全文のコピー
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臓器移植は内臓疾患に対する有効な治療法となるが、患者に適合する臓器を見つけることは難しく、臓器移植を待つ患者の多くが、臓器が見つからないまま死に至る場合が多いのが現実だ。しかし、このような移植用臓器を大量生産できる画期的手法が学術専門誌「iJournal of Molecular Cell Biology」に発表され大きな注目を集めている。
この研究発表を行ったのはShanghai Institute of Biochemistry and Cell Biology(上海生命科学研究院)のLei Xiao博士を中心とする研究グループ。
研究グループが発表した手法とは、遺伝子を操作を加えてブタの臓器をヒトに移植をしても拒絶反応が起こらないように変えた上で、更に、遺伝子操作が加えられたブタの幹細胞を使って移植用の臓器の複製を作るというもの。
研究グループは、その上で、実際にブタの幹細胞を製作することに成功。今後は、実際に、拒絶反応がでないように遺伝子操作を加えたブタを製作することで、移植用臓器の大量生産技術の確立を目指すとしている。
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「移植用臓器確保で画期的手法、ブタを使ってヒトの臓器を大量生産 」(テクノバーン09年6月5日)
豚臓器を人間に移植しても拒絶反応が起こらないよう遺伝子的に細工を加えた豚を生産し、移植用臓器を作るとのことです。
本来が豚臓器なのか人臓器なのかという点が異なりますが、士郎正宗氏のマンガ「攻殻機動隊2」に移植用臓器を豚で生産するシーンが出ていました。
医療が発展することは喜ばしい事ですが、遺伝子レベルで人間が弱化することにも繋がるでしょうし、果たして望ましいことかは疑問な気もします。
10年一昔と言いますが、SFがあっという間に現実になって来ているようです。私が年をとって、年月の流れを早く感じているだけかもしれませんが・・・
以下、記事全文のコピー
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臓器移植は内臓疾患に対する有効な治療法となるが、患者に適合する臓器を見つけることは難しく、臓器移植を待つ患者の多くが、臓器が見つからないまま死に至る場合が多いのが現実だ。しかし、このような移植用臓器を大量生産できる画期的手法が学術専門誌「iJournal of Molecular Cell Biology」に発表され大きな注目を集めている。
この研究発表を行ったのはShanghai Institute of Biochemistry and Cell Biology(上海生命科学研究院)のLei Xiao博士を中心とする研究グループ。
研究グループが発表した手法とは、遺伝子を操作を加えてブタの臓器をヒトに移植をしても拒絶反応が起こらないように変えた上で、更に、遺伝子操作が加えられたブタの幹細胞を使って移植用の臓器の複製を作るというもの。
研究グループは、その上で、実際にブタの幹細胞を製作することに成功。今後は、実際に、拒絶反応がでないように遺伝子操作を加えたブタを製作することで、移植用臓器の大量生産技術の確立を目指すとしている。
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1 ■無題
異色のエントリーを見て興味を惹かれました。
「ブタを使ってヒトの臓器を大量生産」とのタイトルに一瞬おぉっと思って論文を読んでみましたが、今の所豚由来のiPS細胞を作成したという段階ですね。移植用臓器の形成にはまだまだ距離がある上に、患者本人由来のiPS細胞と比べた優位性が明らかではありません。ヒト由来のiPS細胞なら組織適合性はもちろんのこと、移植対象とする臓器も比較的自由です。例えば、ヒトの脳に豚由来のiPS細胞を移植して脳疾患(Parkinson病など)の治療に使おうとすると(日本では)まず認可はされません。ところでこのJournal of Molecular Cell Biologyという雑誌、impact factor(その雑誌の影響度の指標)を調べたらデータベースに載っていないことに気がつきました。もしやと思ってeditorial boardを見ると、ああなるほど。
中国が競争相手になるかどうかは別にして、生命科学分野の進歩は確かに目覚しいです。私自身も脇役ながら関わっていますが、遺伝子導入による失明治療まで検討される時代です。ただ、日本の場合、現象の発見や解明に関して言えば決して諸外国に引けを取らないものの、実用化となると欧米には先を越されていますね。やはり開発に割り当てられるリソース(主に人手)が違いすぎます。件の失明治療にしても、米国やインドなどは治験を視野に入れているのに、日本では動物を使った検証実験でもたついており、治験の許可が出るのはまだ先。導入する遺伝子自体はとっくに開発し特許まで取得しているのに応用となるとこの状態です。
投稿: matsuzay | 2009年6月24日 (水) 23時22分
2 ■Re:無題
>matsuzay様
元記事のタイトルがなかなか意欲的というか論議を呼びそうなタイトルだったので、私としても取り上げてみました。
この分野に詳しい訳ではないのですが、ちょっと怪しい雑誌だったのでしょうか。
生命科学分野で中国がライバルになるかどうかという点について、今回の記事もそうだと思うのですが、欧米や日本ではタブーになりかねない研究についても、中国ではやり易いということは言えるのではないでしょうか。
その点で、今後中国が伸張してくる可能性はあるのではないでしょうか。
http://ameblo.jp/kuon-amata/
投稿: 数多久遠 | 2009年6月27日 (土) 13時40分
3 ■無題
今晩は、
もう一度雑誌のHPをチェックしたら発刊後間もない雑誌ですね。しかも各号につき一遍しか論文が載っていないようです。従ってimpact factorを評価するにはまだ早過ぎるということで、雑誌のレベルについての評価は保留とします。
さて、生命科学研究には各種の倫理規定が課されていることは御指摘の通りです。そしてかつての中国における研究には、倫理的に問題のある研究が含まれていたことも事実です。例えば十数年前に人口流産させた胎児の小脳を成人の小脳疾患の患者に移植したという記事が新華社によって報道され物議を醸したことがあります。もっとも今でも当時のままではないでしょうし、まともな学会誌なら倫理的に疑義のある研究はレフェリーが指摘できる仕組みがあり、問題があれば掲載拒否されます。従って中国が今後世界の医学・生命科学研究に進出するなら倫理基準も国際標準に合わせなければならなくなるでしょう。因みに遺伝子操作を伴う研究に関しては、カルタヘナ議定書による制約がありますが、中国はこの議定書を採択しています。しかし、米国は未だに採択せず、遺伝子操作実験はやりたい放題です(遺伝子組み換え作物業界の圧力?)。
なお、中国における生命科学の今後の発展可能性は未知数ですが、日米欧における中国人科学者の進出は目覚しいです。学会参加者、論文の著者名をみても10年前に比べて中国人の名前は急増していますし、欧米の研究機関で中国系が長を務めているところは珍しくなくなってきました。
投稿: matsuzay | 2009年6月27日 (土) 22時36分
4 ■Re:無題
>matsuzay様
寒気がするような実験までしてたんですね。
海賊対処など、中国も最近では外の目を気にするような動きになってきていますが、生命科学分野でもそうあって欲しいものです。
http://ameblo.jp/kuon-amata/
投稿: 数多久遠 | 2009年6月28日 (日) 16時09分