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2009年6月28日 (日)

こんどは東京

北朝鮮北西部の東倉里(トンチャンニ)で発射準備が進められている弾道ミサイルの発射方位について、防衛省が青森上空を通過してハワイ方面に飛翔するコースを予想していると報じられています。
北ミサイル、来月上旬にも発射・青森通過か…防衛省分析 (読売新聞09年6月18日)

報道の内容は、4月5日に発射されたミサイルと同等の性能(射程4000~6500キロ)を前提として、防衛省としては、〈1〉沖縄〈2〉グアム〈3〉ハワイ―の3方向に発射される可能性があると予測しており、その中でも、青森県上空を通過するハワイ方面の可能性が高いと予測している、というものです。

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ピョンヤンを中心とした、正距方位図法での地図

沖縄方向は、ブースター落下が中国沿岸になり、それによって中国の反発を招くために可能性が低いとされていますが、中国の反発はどの方面に撃っても大差ないでしょう。
それよりも、沖縄方面に飛翔させた場合、射程を考えると、弾頭部や3段目ブースターがインドネシアやオーストラリア、それにフィリピンなどの陸地、あるいは回収可能な浅い海に落下する可能性があり、北朝鮮としては現物を回収され解析されることを嫌うでしょうから、確かにその可能性は低いと思われます。

次に、グアム方面の場合、読売の報道にもあるとおり、1段目ブースターが韓国あるいは日本の中国地方に落下する可能性が高く、この場合もミサイルの情報を守りたい北朝鮮としては避けたいケースです。

最後にハワイ方面の場合、ブースターや弾頭部が回収される可能性が低く、アメリカへの圧力にもなるため、コレを選択するだろうと報じられている訳ですが、ハワイにはSBX(海上配備Xバンドレーダー)が展開している他、MD関連施設も多数あり、北朝鮮とすれば、回収されなくともかなりのデータが取られることになります。
また、安全性という点では必然性はなくとも、ハワイの手前で、イージスによる迎撃が行われる可能性もあります。現在のSM-3ブロック1では、ハワイ近海まで飛翔する弾道ミサイルの迎撃の可能性は低いと思われますが、アメリカはギャンブルしてくる可能性もないとは言えません。
という訳で、私としてはハワイ方面にミサイルを撃つ可能性は低いのではないか、と考えています。

となると、どちらに撃つかということになりますが、北東のアラスカ方面は、ハワイ以上にデータ取りや迎撃される可能性があるので、当然ありえません。
北方に射撃し、ロシア上空を通過して北極海に落下させるケースでは、最近ロシアも反発を強めているので、可能性としては低いでしょう。

条件としては、ブースターや弾頭部などが陸地や浅海に落下せず、落下地点付近に濃密な観測や迎撃態勢がない方位ということになります。具体的には、南東方向、グアムとハワイの中間的方位、つまりは東京上空を通過するルートではないか、と思えるのです。

東京あるいは関東地方の上空を通過するルートを飛翔させれば、日本としては強烈に抗議することになります。ですが、北朝鮮は今さら日本の反発など気にはしないでしょう。
北朝鮮は、本当にやるかもしれません。

最後に、読売記事の全文転載を載せておきます。(読売の記事は直ぐに消えてしまうので)
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北ミサイル、来月上旬にも発射・青森通過か…防衛省分析

 北朝鮮北西部の東倉里(トンチャンニ)で発射準備が進められている長距離弾道ミサイルについて、防衛省が、青森上空を通過して米ハワイに向かうルートで発射される可能性が高いと分析していることがわかった。

 発射は早ければ7月上旬になるとしている。同省は、この分析と米国の偵察衛星からの情報などをもとに、迎撃ミサイルSM3搭載のイージス艦や、地上配備型迎撃ミサイルPAC3などの部隊をどのように展開するか本格的な検討に入った。

 同省によると、北朝鮮には、4月に長距離弾道ミサイルを発射した北東部の舞水端里(ムスダンリ)のほか、韓国との軍事境界線に近い旗対嶺(キッテリョン)と、黄海に近い東倉里にもミサイル基地があることが確認されている。東倉里には5月30日、平壌近くのミサイル製造施設から、テポドン2かその改良型が運び込まれたとみられている。

 同省は、このミサイルが2段式または3段式で、4月に発射された長距離弾道ミサイルと同等以上の性能であることを前提に、〈1〉沖縄〈2〉グアム〈3〉ハワイ――の3方向に発射される可能性があると予測。このうち沖縄方面の場合、1段目のブースターを切り離すと、沿岸に落下する中国の反発を招くこと、グアム方面では、韓国から日本の中国・四国地方の上空を通過するためブースターを陸地に落とさざるを得なくなることから、いずれの可能性も極めて低いと分析している。

 一方、ハワイ方向ではブースターを日本海に落とせることや、長距離化に成功すれば、北朝鮮のミサイルを「北米やハワイの脅威ではない」としている米国に対しても大きな軍事的圧力になるため、最も可能性が高いと結論づけた。

 ただ、ハワイまでは約7000キロあり、新型のテポドン2改良型でも射程は4000~6500キロ程度のため、青森上空を通過する最短ルートでもハワイには到達しないとみている。

 偵察衛星の映像では、すでに東倉里の基地内にミサイルの発射台が確認されているが、ミサイルを組み立て燃料を注入して打ち上げるまで10日以上かかる。また2006年のテポドン2の発射が米国の独立記念日にあたる7月4日(日本時間では5日早朝)だったことや同8日が金日成主席の命日にあたることから、同省は4~8日に発射される可能性を想定している。

 北朝鮮のミサイルを巡っては、舞水端里への運搬の動きが17日になって確認され、旗対嶺でも、ノドンや新型の中距離ミサイルの発射準備も進んでいる。このため同省は、3か所の基地から同時にミサイルが発射されることも視野に迎撃体制の検討を進めている。
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コメント

1 ■東京の先にはマーシャル諸島
はじめまして。北朝鮮から発射して東京上空を通過するルートの先にはマーシャル諸島があります。クェゼリン環礁にロナルド・レーガン弾道ミサイル防衛試験場があるので、データを取られたり迎撃される可能性はどの方面にも劣りません。

2 ■Re:東京の先にはマーシャル諸島
>炎暑雪国人様
なるほど、見落としてました。
確かにそうですね。

となると、どう出てくるかな。
元記事のように、わざとハワイ、マーシャル方面に打つというのもあるかもしれませんが。


http://ameblo.jp/kuon-amata/

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