ブログランキング&ツイッター

  • 軍事・防衛 ブログランキング
  • ツイッター

« 自衛隊の思想調査 | トップページ | 仰天のコピー »

2009年6月14日 (日)

F-22が高いかどうかはROE次第

ほとんどゼロかと思われてましたが、ほとんど針の先と言える程度とは言え、F-22を購入できる可能性が、ほんの少しは出てきているようです。
F22輸出解禁支持 イノウエ議員 売却価格は247億円 (産経新聞09年6月6日)
********************
ロイター通信は5日、米議会多数派民主党の重鎮ダニエル・イノウエ上院歳出委委員長がゲーツ国防長官と藤崎一郎駐米大使に書簡を送り、米空軍の最新鋭戦闘機F22Aラプターの輸出解禁に期待感を表明するとともに、輸出した場合、日本への売却価格は1機約2億5000万ドル(約247億円)程度になると伝えていたことを報じた。

現在、F22の輸出は軍事機密を守るため禁止されている。ゲーツ国防長官は5月の日米防衛首脳会談で、「オービー修正条項」と呼ばれる歳出法を理由に、日本への輸出は厳しいと伝えていた。歳出委員会が輸出解禁を支持すれば、F22を航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の最有力候補と位置付けている日本側に取得の望みが出てくる。

米軍は1機約1億4000万ドルで調達している。日本に輸出する場合、輸出仕様にするための設計・改造費などを含め約1億ドルを上乗せした格好だ。7-9年で納入可能という。

F22はレーダーで捕捉しにくいステルス性を備えた世界最強の戦闘機とも言われている。ただ、イラクやアフガニスタンでの戦争に使われていないこともあり、ゲーツ長官は調達中止を決めた。これに対して、議会からは雇用の確保などを理由に生産継続を求める声が出ている。
********************

今回の記事程度で購入できる可能性を話しても詮無い事ですが、今回初めて具体的な価格が報じられていますので、果たしてコレが高いものに付くのか否かについて書いてみます。

輸出用にダウングレードしながら、その設計・改造費を上乗せして売ってくるというのは腹に据えかねる話ですが、まあこれは仕方がないでしょう。
ただしあくまで感覚的な話ですが、上乗せ分(1機1億ドル)は、本当に開発等で要する金額というよりも、この程度のふっかけなら買うだろうという思惑の金額に思えます。なにせダウングレードするだけで、飛行特性を変えるような改造はしないはずですから。
具体的な金額は、1機約2億5000万ドル(約247億円)になるとのことで、F-35を除けば、他のF-X候補機がだいたい1億ドル程度でしょうから、大雑把に言って約2.5倍の価格と言えます。

2.5倍と聞くと、おそろしく高いものに思えますが、完成していないF-35を除けば、他の候補機とは0.5世代以上の性能差があり、価格だけ考えた場合には、決して高いとは思いません。

ですが、ここで一つ重要な問題があります。
航空自衛隊の運用、特にその運用上の制限として課されるROE(Rules Of Engagement:交戦規定)を考えた場合、F-22は実に高いものにつく可能性があるのです。

F-22は、現状では世界最強の戦闘機です。演習でのキルレシオは、少し古いデータですが、ノーザンエッジ2006演習までに144対0(出典:軍事研究誌2007年5月号掲載の石川潤一氏の記事「F-22実戦行動で沖縄展開」)となっています。
ですが、これはF-22のアドバンテージであるステルス性能などを最大限に発揮できるBVR(Beyond Visual Range:視程外距離)を維持すればこそです。
実際、レッドフラッグ07演習では、格闘戦に持ち込まれたF-22が、F-16のサイドワインダーで撃墜判定されています。(出典:前掲記事)エンジン出力が大きいこともあって、F-117やB-2のように赤外放射を抑えることは困難ですし、ステルスと言えど近距離ではレーダーに映らない訳ではないからです。またF-22は、格闘戦で有効となるポストストール機動に優れる訳でもなく、オフボアサイト能力を持つ短射程AAMを搭載した最新式フランカーなどが相手の場合、格闘戦ではキルレシオが1(勝率50%)を切る可能性すらあります。

では、BVRを維持すれば良いということになりますが、そうは行かないかもしれないことが問題なのです。
航空自衛隊は、近年でも格闘戦での戦技競技会を実施していますが、これはなにも職人気質のパイロットが趣味でやっている訳ではありません。(そういう事情が無い訳でもないですが・・・)
「今時バカじゃないか」という声も(自衛隊内部からも)聞かれますが、空自には空自なりの理由、というか懸念が、その背景としてあるのです。
その懸念とは、一言で言えば政府に対する不信であり、フリーハンドで戦わせてもらえないかもしれないという思いです。
具体的にどういう事かと言うと、危機が発生した際でも、第3国の航空機が接近してくる可能性は排除できず、政府として一定範囲内に入り込んだ識別不能の飛行物体を、敵とみなして攻撃して良い、ということにしてもらえない可能性を懸念している、ということです。
また、自国あるいは友好国の航空機をレーダーやIFFなどにより、そうとは識別できない可能性もあります。(モード4を含めたIFFについて、確実なものだと考えている方もいるでしょうが、それはマチガイです。)
その結果として、VID(Visual Identification:目視識別)を行った上での戦闘を訓練しています。そしてこの状況は、当然ながら格闘戦になります。

もしF-22を購入できたとしても、VIDを必須とするようなROEの元では、F-22はそのアドバンテージを十分には生かせません。
そうなるのであれば、F-22の1機247億円という価格は実に高い買い物です。(具体的な金額が出てませんが、F-35でも同じことです。)

ROEは、決して固定的なものではなく、状況によって随時変わるものです。ですから、空自の懸念が杞憂である可能性ももちろんあります。
ですが、今まで政府(内局も含む)は事あるごとに自衛隊を縛ってきました。制服を着ていたものとして、正直政府(内局も含む)が自衛隊をオンハンドで戦わせてくれるとは思えません。
公開されていない運用関係の内規には、アレはしてはいけない、コレを行う際にはソレを行った上でなければならないといった規定が山のようにあります。
もちろん必要な規定もありますが、「余程自衛隊が信用できないんだな」と思わせるモノも決して少なくありません。

もしF-22を購入するのであれば、VIDなどを必要とすることなく、BVRでの交戦を可能とさせる(ROEを制約の多いものにしない)つもりがなければ、政府として高い買い物をすることになります。

« 自衛隊の思想調査 | トップページ | 仰天のコピー »

F-X選定問題」カテゴリの記事

コメント

1 ■同じ点が気になってました
こんにちは。
中の人の意見としてF-22導入待望論しか表に出てこない中で、政治の縛りに悩まされてきた隊関係者の方からこういった論が出ると非常に参考になります。
私も同じ点が気になっていました。
F-22の武器は必殺のアウトレンジ攻撃であって、そのための超音速巡航でありそのためのステルス性なわけですから、政治家がステルスの有効性を「レーダーに写らない」としか理解していない状況では、全く豚に真珠状態になってしまうのではないかと感じています。
特に日本近海上で空対空戦闘となりますと、中国が敵の場合にロシア、台湾、韓国の軍用機も入り乱れるカオス状態があり得るわけですから、VID要求の可能性は十分にあり得ますよね。

策源地攻撃の議論の時も気になったのは、戦時の防空のあり方です。空母艦載機を持っている米軍とは違って攻防ともに空自が航空戦力として担っていくことになるわけですから、戦時の防空をどのように行っていくのかをもっと議論しておかないと、いざというとき任務機が不足するんじゃないかと不安を感じていますが、どうなんでしょう・・・

2 ■性善説で考えない方が良いかも・・
今明らかになっているF22の改善点としては、1)機体整備コストの低減、2)電子機器のアップデート、です。前者は余りにも高すぎる整備コスト、ステルス性との引き替えにして得られた独特の製造方法をいかに既存の航空機に近いものにするかという事ですし、後者は現状一体化したモジュール(高速データ処理を行うには必需です)を汎用バスに乗せ替えることで、機能モジュールの段階的性能向上を可能にするという事です。他にも問題点がある(分散したアンプによるダイレクト駆動される動翼駆動機構とか)んですが、まぁ、大きくはこの部分ですね。

これは悪意のある見方をすれば、整備性の向上と引き替えにステルス性をF15SE程度にまで落とし込む事も可能ですし、モジュールの入れ替えで本来のF22が持っている索敵機能(例えばマルチスタティック走査機能を筆頭に)を削る事も可能です。そして、その改修によって生じた上澄みは本国向けF22の改修にのみ適用されるでしょう。特に日本向けのF22においては確実に適用される部分です。何故ならばFXとして導入した後は、その機体の能力を浚うべく、毎日の様にスクランブルが掛かり、能力を徹底的に調べられ、挙げ句の果てには陳腐化する可能性が高いからです。そのくらい米軍にとってはF22は虎の子なんです。

後は、そこまでハックされた上でもF22を導入したいのか、これですね。

3 ■Re:同じ点が気になってました
>らすべと様
どんな兵器でも、万能な最強兵器なんてあるはずもなく、一言で言えばじゃんけんみたいなモノなわけですから、相手とすれば弱点を突こうとします。
日本が政府として自衛隊の腕を縛ろうとしているのであれば、相手はソコを突こうとするでしょうね。
MDについて拳銃弾の比喩を持ち出す程度の認識しか持っていない政治家がいる事を考えれば、仰るとおり豚に真珠になる可能性は大いにあります。
そして、その付けは現場に回されるかもしれません。

中国が相手の場合に限りませんが、VIDが必要とされるような事にならないよう、外務省の協力も必要でしょうし、そういうことを今のうちから関係者に分かっていてもらうことが必要でしょうね。

戦時の防空については、空自はちゃんと考えています。
というより、過去はその事しか考えていませんでした。演習などは、それこそバカの一つ覚えのように。
参事官制度のこともあり、防空上の問題点などが、政府中央までちゃんと届いていたかは分かりませんが。


http://ameblo.jp/kuon-amata/

4 ■Re:性善説で考えない方が良いかも・・
>さむざむ。様
ステルスと整備性がそれほどトレードオフ関係になっているとは思いませんでした。F-117では苦労したもののF-22では大分改善されたとの情報もありますが、それでも在来機とは隔絶したものがあるのでしょうね。

日本向けダウングレードの方向性は、ステルス性能の低下と電子機器の一部機能の削除ということなんでしょうか。
確かに、この点がキーになることは想像できます。
その一方で空自が最も欲しがっている能力もこの点なんでしょうね。(個人的には、電子機器よりもスーパークルーズの方が効果が高いように思いますが)

スクランブルについては、以前の記事でも書いたように空自が真面目すぎるんですよね。
毒のある言い方をすれば、所詮警察機能ですし、大したことはできない訳ですから、適当にやっとけばいいんです。

米側が認めるかどうかは分かりませんが、対領侵では使わないとか、リフレクターを装着(ステルス性のある艦艇などでは実際に行われているので)するとかを前提とした協定を結ぶ事を条件に売却を打診することも有益ではないかと思いますが、既にソコまでやっているのでしょうか。

>そこまでハックされた上でもF22を導入したいのか、これですね。
ここでコストパフォーマンスをどう評価するかでしょうね。AAM-4の超長射程化改修、ネットワーク化とかに資源を振り向ける、なんて手もあると思います。
なんにせよ、FX選定でF-22に拘るのであれば、空自は政府中央だけでなく、国民に対してもに対してももっとアピールする必要があると思っています。(事実上の仮想敵である中国の反応が怖いんでしょうけど)


http://ameblo.jp/kuon-amata/

5 ■少なくとも
政権与党にはF22を導入したい理由が全く伝わっていませんね。その代わりPTは別の方向性…もっともオイラにはその方向付けする理由が全く理解できないのですが…を示しています。ぶっちゃけ、F4を代替できる長距離ミサイルキャリアであれば、そしてそれが安ければおけ的なものでしょう。空のFXの価値としては。全てが遅すぎたな。もう手が尽きたな。というのがオイラの感触ですね。

既に(最良)大きな資金協力があればF-35と同等~(最悪)資金協力無しだと特定方向のみF35並のステルス性能は同盟各国に輸出してもいいというステルス技術の放出に関する方向性が明らかに出ています。機体ですら既にその方向に行っているのですから、電子技術に関しても対ステルス、厳密には低RCS機索敵機能(incl.超遠距離索敵機能)は絶対に落とされます。

もう、この部分は諦め、他の部分で評価せざるを得ない状況です。

それを考えてもF22はますます選択肢から外れる方向にあるでしょう。冷静に考えれば。ラ国無し、日本製装備は出来たとしても翼下ステーションに取り付けたレールからのみで本体ラックはAIM-9XとAIM-120Dのみ。整備は米軍基地、整備費用青天井という感じか。それと引き替えに得られるものは超音速巡航と米空軍との装備共通性というところでしょう。今の空幕にとっては渡りに船かも知れません:D

6 ■無題
さむざむ様の話を聞くと正直どうにもならなない予感…空自は大丈夫なのか心配になってしまいますね。

ただ逆にステルス機の生産技術がそこまで高度なのだとしたら周辺国だって当分の間はまともなステルス機を保有するとは考え難いということで、F-Xでは無理をしてまでステルス性にこだわる必要も無いのかもしれませんね…どうせまともなステルス機は売ってくれないみたいですし。

ぶっちゃけさむざむ様としてはどの機種がベターになるんですかね?

素人目には良い条件でライセンス生産をさせてもらえる(と向こうは言っている)タイフーンに魅力を感じてしまう一方でF-15SEという選択肢もF-22よりは現実的に思えます(ライセンス生産は厳しそうですし、試験飛行もしていない状態で間に合わないという話も聞きますが)。
F-2の増産ということを考えているマニアの人も少なくないのですが、これについては公式な話として一切出てこないのも不思議です。

7 ■Re:少なくとも
>さむざむ。様
何やら怪しい動きもあるようですね。
理解不能な方向付けをされても困りますが、まさかF-2改とかでしょうか。
お話を聞いていると、輸出版F-22はとんでもない代物になりそうですし、それもアリかなとも思えます。
空自が、最初からF-22ありきで検討したのが拙かったんでしょうね。柔軟性がないから、交渉にならなかったんだろうと想像します。

ステルス技術の放出に関する方向性がそうだとすると、つまりは、どうやってもF-35以下って事ですよね。
搭載電子機器もそんな様子で、メリットがスーパークルーズと装備の共通化だけだとすると、空自がここまでF-22に拘泥する理由が理解できなくなって来ました。


http://ameblo.jp/kuon-amata/

8 ■あくまでも噂と私見です:D(1/2)
MDを前面に出し、巡航誘導弾の整備、FXは純減(することにより防衛予算を抑える)という案も出ていなくはないです。空爆が今後もF22を要求し続けるのであれば、渡りに船とばかりにその案を肯定する声が大きくなるでしょう。なんせ性能が思いっきり落ちてもF22がいい、米空軍と一緒がいい(という話以上のものが聞こえてきません)と言い続けているのですから。>某PT

でもって、オイラの私見としては、米軍機に関しては手数がほぼ無い状況ですので、設定された範囲での最良を狙うしかないでしょう。個人的にはF35は色々と厄介な問題を抱えているので2030年あたりまでは正直手を出したくありません(ランド研がしれっとパチモンF35を売るとまで言い出してましたし)。イギリスが業を煮やしてトーネードADVに改修したように、イギリスがなんかやらかしてくれるまで待ちます:D。それと、基本的にはライセンス国産はF35/F22共に不可、改修も基本的に出来ないでしょう。また、今の条件では日本の戦闘機製造技術は確実に息の根が止められます。

では、ユーロファイターが有力なのか?というと、こいつも微妙です。理由としては推力向上型のエンジンと機体とのフィッティング問題が付きまといます。現行のEJ200エンジンならば問題はありませんが、EJ230/EJ270ではインテイクの形状から改修しなければエンジンを有効に扱えない可能性が高く、その改修をどうするのか?(機体を丸っと再設計する勢いですし)という問題がありますし、未だTR3の仕様すら出来上がっていません(共同開発も提案されています)。ただし、EF2000を導入出来た場合は米国製以外のエンジンの選択肢が増える可能性が非常に高いです。コンポーネントレベルでは先が見えます。(続く)

9 ■あくまでも噂と私見です:D(1/2)
では他の選択肢…ラファールになると、エンジンが駄目。後は結構いいんですが。。。ラファール+EJ系エンジンという構成でしたら、問題が少なかったかもしれませんし、サーブがKFXにと提案したステルス機は未だにvaporなものであり、かつ実現不可能な例のモックアップを元にしたものであり、あんなものは確実に出来ない。何処にエンジンを置くのかっつう(笑)。

現状においては、この様な感じでして、何を選んでもデメリットもそれなりに大きいです。ですが、既に待ったなしな状態で、手数が思いっきり限られています。

とすると、確実性を考え、ショート(20年程度)での限定的な何かの導入を行い、時間を稼ぎ、次の手数を増やすという選択肢しか、合理的には残されていないというのが今日のFXの現況です。その中で一番コストを抑えられるのは何か(既にそういう方向付けに入ってる事に留意)。というあたりが理性的な着地点になるでしょうね。それがF15FX/SEなのか、F2なのか、それともヨーロッパ機になるか、はたまた純減になるかは分かりませんが。

あとは、、、えーと、今の空の人は海の人と同じ傾向になりつつありますよ。悲しいことに。

10 ■では、私も私見で
FX自体がそもそも時間稼ぎという位置づけだったはずですし、実現可能性のある機種では何を選んでもデメリットあり、既にマッタなしという認識はさむざむ。氏と同じです。
また、真の実力を持つためには、国内の防衛産業の技術維持は不可欠だと思っています。

仮想敵を念頭に入れた運用上の必要性を考慮すれば、北朝鮮相手では何でも(JDAMが使えれば、SDBが可能ならなお良し)OKですし、中国相手では一定の航続性能とBVRでの質的優位を確保できれば良いと思うので、もうココまで来たらAAM-4改の搭載の容易なF-2改で良いでしょう。

今後のBVRでの優位確保には、今年度予算に盛り込まれた「自衛隊デジタル通信システム(戦闘機搭載用)の開発」が何気に有効になってくるでしょうし、ソレを考えても外国機を導入するより国産機が良いように思います。

あと、海の人と同じというのはどういう意味でしょう?
なにがなんでも米軍追随ってことかな。


http://ameblo.jp/kuon-amata/

11 ■メンタリティ的には近いですよ。
とにかく海外製を→反対意見が根強い中、導入してみた→言われたとおりだった→じゃ国産で→研究試作→でもやっぱり米国製が、、国産技術があるぞって事で値段交渉出来るし→開発無し→最初に戻る、、、このサイクルは海の装備品に限っての事でしたが、最近は空がそんな感じで、しかも陸にも飛び火してきました。モチベーションが下がる下がる。

空の装備品で最近のものですとJDAMなんかがそうですね。絶対無理だという技術陣の話を全く聞かずに導入したは良いのですが、やっぱり言われた通り使えない、結局ラックの導入を止めて、国産でなんとかならないかと打診…とか、RIM-4(AAM4の艦載版、試験結果は非常に良好で、装備化が研究試作時には期待されていましたが、結局ESSMにとって変わられましたが)と「全く同一」の道を辿っています。

ま、それはそうと。オイラが特定の航空機を指さないのはFXに何を考え導入するかで選択肢が変わるからです。現在米国製一辺寄りのコンポーネント…例えばエンジン…の供給元を広げ、次の手数を増やすというのであれば欧州製ですし(場合によってはRR製のF32用に開発していたエンジンすら取得可能)、とにかくF4の穴を埋めたいというのであればF2(B)もしくはF2(改)になります。そして、空幕が何時までたってもF22と言い続けるのであれば純減もあり。という感じですね。

12 ■このままでは本当に
最も精神的ダメージの多きな拷問は賽の河原で石を積むが如き無駄なことをさせることだそうですが、研究試作、開発なしのサイクルは、まさにコレですね。
もちろん失敗もあるでしょうから、必ず開発に進むべきという訳ではないですが、良いモノが出来た時にもというのは、そもそもやるつもり無かったんだろ、と言いたくなるでしょうね。

RIM-4の件は耳にもしていましたが、個人的にはその成果を生かして、AAM-4改の開発と平行してSAM-Xを共通化でも良いのでは、とも思ってました。(そういう方向に行かない事は承知してますが)
JDAMもそんなにグダグダでしたか、兵器の高度化にともなって、運用者の技術的理解が追いついて行ってないのかもしれませんね。

「何を考え導入するかで選択肢が変わる」と言うことは、まさにFXの必要性と位置付けを空幕が明確化しきれていないということですね。
今の時点(で採用可能な選択肢)で建前としての位置付け等を明確化してしまうと、F-22を導入する理由が付かないので、あえて明確化していないのだろう、ということは容易に想像が付きます。
このままズルズル行けば、本当に純減になってしまうかもしれませんね。


http://ameblo.jp/kuon-amata/

13 ■RIMに関しては…
とりあえず艦載型を諦めて陸上設置型SAMとして開発するのかな?って感じです。というか、もう艦載型のSAMは開発依頼が出たとしても、手を出す事はないでしょうし、開発依頼説明会にも余り足を運ぶことはないでしょう。しかも、勝手に艦艇の研究をし始めましたし。時代遅れのFRP船をもって1500tクラスの掃海艦を作ろうとしています。

因みに海のの人米海軍偏重は、もう伝説になるくらいでして、例えば日本で開発した短魚雷は散々貶しまくって、結局限定的な採用になった訳ですが、これがアイテム指定(短魚雷用エンジン)で日米共同開発を提案されたときは、性能が低いだの、日本製なんて信用ならないだのと、さんざ貶しまくってた事を忘れたかのように、あれは良いモノだから是非共同開発をやってくださいと強力にプッシュしてきました。開いた口が塞がらないというのは正にこのこと。

で、空の人も正にそのような人達と同列に捉えられつつあります。

14 ■無題
いつも興味深く拝見させていただいて居ります。
F22の導入に関する国内の議論を見ていると、日本の航空戦力にどのように資するかという視点に偏っている印象があります。
2年前、F-22が嘉手納に臨時配備されたときも初めての海外配備だった筈ですが、アメリカはステルス機を海外の基地に常駐配備していないのでしょうか。そうしてまで同盟国にさえステルス機についての情報を与えたくないのであれば、日本にF22を保有させることが米国の利益にもなるという説得力のある根拠を出さない限り導入は困難に思えます。
そう考えてみると、嘉手納のF22とDACTを実施する機会をもてたのは空自にとっては貴重な機会だったかもしれませんね。戦闘機対戦闘機だけではなく、非ステルス機がAWACSや地上レーダーの支援を受けていても対抗し得ないのか等々、空の人にとっては情報を集める機会だったかと思いますが、どうだったのでしょう?

15 ■SLAMRAAM
>さむざむ。様
日本版SLAMRAAMですね。
技術的には十分可能なんでしょうが、中SAMの行き渡らない部隊のホーク後継という位置付けとしても、中SAMとは別のミサイルを開発・装備することに関して、ロジック立てをしっかりしておかないと、RIM-4と同じ運命になってしまう可能性があるように思えます。(それは陸自の仕事ですが)

それにしても、そこまで技術サイドの信用を無くしてしまう海って・・・
技術サイドとのコンセンサスなしに研究をすすめたら不味いでしょうに。
艦船は詳しくないので、FRP船の問題は分かりませんが、世界でも希少な木造船技術を維持して欲しい気もします。

海の人の米海軍偏重は、運用上でも言えましたね。「空海協同よりも日米共同優先かよ!」なんて事を言っていたこともありました。
BMDを中心として、改善されているのだろうとは想像しますが。

空も同列ですか・・・
米軍人と接触すれば接触するほど、彼らの強さはひしひしと感じるので、気持ちは分からない訳ではないのですが、彼らの強さの真髄は構想力と組織力にあるのであって、モノだけ合わせれば同じ強さになれる訳ではないんですがねえ。FX選定は悪しき流れを作ってしまっているのかもしれませんね。


http://ameblo.jp/kuon-amata/

16 ■Re:無題
>matsuzay様
防衛省が装備を導入する論拠(財務省を説得するための建前)としては、どうしても日本の航空戦力に資するか否かという論議になってしまいます。ただ、仰る様に米国の利益になるということを米国に納得させないと、輸出は当然に難しいでしょうね。

確かにF-22とのDACTは収穫の多いものだったでしょうね。
特殊な訓練規定を設けるなどを行い、F-22側に大幅な制約を課さない限り、管制支援があるという程度では結果をひっくり返せないということは事前に分かっていたとは思いますが・・・
心神を使って検証する前に、いろいろとデータ収集はできたと思います。


http://ameblo.jp/kuon-amata/

17 ■Navy to Navy
>数多久遠さん

>>海の人の米海軍偏重

まあ海軍同士というのはありますが・・・・海自の生い立ちから振り返ると米海軍との繋がりは避けて通れない話ですので・・・・

海自を育てたのが米海軍だというのはあながち間違いではありませんし・・・・(もちろん陸空にも言える話ですが、創生期には在日米軍もまだ装備しないような最新装備も供与されていたくらいですから)

またお互い、最も重要なパートナーあると認めている部分もあります。RIMPACに参加すると、数ある参加国の中、停泊時には海自には最も良い岸壁が提供されるなど扱いがあきらかに違います。

そして一番わかりやすいのが、幕僚長人事で、大体が早くから米海軍とのパイプを持つ人物(いろいろあって幕僚長を逃した全自衛艦隊司令官とか)や前職に横須賀総監を拝命してカウンターパートナーとして横須賀の在日米海軍司令官との関係を強めてから幕僚長を拝命するの方も多いです。

まあ良くも悪くもというところでしょうか・・・・

>>運用上でも・・・

まあ訓練想定でも・・・空自のCAP機が登場するのは滅多にありませんしね・・(それは陸さんも)。

18 ■Re:Navy to Navy
>海族様
シーレーン防衛など、陸も空もいない状況で戦うことを想定していると、自ずと共同する相手は米海軍だけになるのでしょうから、米軍との結びつきを大切にする理由も理解できなくはないです。

リムパックでの岸壁の件など、向こうからも重視されるほどの関係を築いていることは、評価しても良いところでしょうね。
本当に、良くも悪くもですが。

陸さんの訓練想定に空自によるエアカバーが入らない事は、実態を反映してのことでもあります。なにせ、離島防衛でもない限り、陸さんが戦闘をする時には空自は壊滅していますので・・・


http://ameblo.jp/kuon-amata/

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: F-22が高いかどうかはROE次第:

« 自衛隊の思想調査 | トップページ | 仰天のコピー »

アマゾン

  • 航空自衛隊 副官 怜於奈
  • 北方領土秘録 外交という名の戦場
  • 深淵の覇者 新鋭潜水艦こくりゅう「尖閣」出撃 (文庫)
  • 半島へ 陸自山岳連隊
  • 黎明の笛 陸自特殊部隊「竹島」奪還 (文庫)
  • 深淵の覇者
  • 黎明の笛
  • 空飛ぶ広報室 DVD-BOX

最近のトラックバック

ブックマーク、RSS