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2009年5月22日 (金)

ロクサナ・サベリ問題と日本の外交的能力

あまり大々的に報道されてはいませんが、イランで拘束され、スパイ行為の罪で訴追された結果、一旦は禁固8年の刑を言い渡されていた日系アメリカ人(アメリカとイランの2重国籍)女性ジャーナリスト、ロクサナ・サベリさんが控訴審の結果、禁固2年執行猶予5年となり、釈放されました。
http://www.asahi.com/international/update/0512/TKY200905120402.html


これは司法判断というより、政治的な判断が強く働いた結果です。
もっとも、彼女はスパイ行為で訴追されたとは言っても、とてもスパイ行為とは言い難い記者証未発行状態での取材活動が訴追の理由でしたので、そもそもが政治的な拘束だった訳ですが、イランが大統領がオバマ大統領に変わった米国との関係を重視したこと、そして日本からの働きかけを受けて政治的決断により、釈放となりました。


日本の行った働きかけについては、読売がちょっとだけ報じています。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090503-OYT1T00568.htm?from=nwla
この中では、中曽根外相が「公正かつ寛大な措置」を求めたと伝えられる程度ですが、イランのエッテマーデ・メッリー紙によれば、彼女の母親が日本人であることから、日本政府は人道問題上の見地からこの問題をフォローしてきており、イラン外相は、控訴審は公正さと人間的憐憫にもとづいて行われると述べた、と言うことです。
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=16347


日本の外交能力については、殊更低い低いと言われてますが、八方美人とも言われる全方位外交は、米国が影響を行使し難い国に対しても外交能力を発揮できる、とも言えます。
対イランなどはその典型で、日本の場合、エネルギー政策上強い関係を持たざるを得ないという理由もあるのですが、長年そう悪くない関係を続けてきています。

この件についても、その効果が発揮されたと見てよいでしょう。米政府高官が、解決に向けて「日本政府が積極的な役割を果たした」と語ったとも報じられています。
http://www.asahi.com/international/update/0512/TKY200905120060.html


日本としては、北朝鮮と比べればイランの核問題については関心が薄いものの、アメリカは、これを非常に重視しています。
この件について中曽根外相がイランのモッタキー外相と会談した際にも、イランの核問題についても話がされていますが、イランに対しては、日本は相応の外交的能力を持っており、しかも日本の安全保障上のパートナーであるアメリカは、その事の価値を高く評価します。
下世話な言い方をすれば、これはポイントを挙げるチャンスであり、日本が本当に必要とする対北朝鮮問題に関してアメリカの関与を引き出すバーターとしても使えます。
チャンスは活用しましょう。

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