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2009年4月 2日 (木)

破壊措置命令ー日本に飛来する可能性

4月4日に向けた自衛隊部隊展開案 」でも多少触れましたが、北朝鮮の「弾道ミサイル」が日本に飛来(落下)する可能性について検討してみます。

まず、今回打ち上げられる「弾道ミサイル」ですが、2段式のテポドン2か、あるいはこれを改造した3段式のモノと見られています。
(最近の衛星画像の分析では3段式らしい)
これを踏まえて北朝鮮がIMOに通告した危険範囲を見てみると、秋田沖の日本海に設定されたエリアには、第1段目のロケットが落下し、太平洋上のエリアには第2段目のロケットが着弾予定だということです。

この点を前提として、「弾道ミサイル」の発射シーケンスに応じた事故の可能性を考えてみます。

まず、前回のミサイル発射時と同様に、発射直後から異状な飛翔(あらぬ方向に飛ぶなど)が発生する可能性もありますが、基本的にこの場合は日本まで飛来しません。
1弾目のロケット落下予定海域が秋田沖であることから分かるとおり、1段目のロケットが弾道ミサイルを加速できるのは、せいぜい秋田沖に落下する程度までしか出来ないということです。
ただし、今回の弾道ミサイルもおそらくそうですが、長射程のミサイルや宇宙ロケットは、大気の影響を極小化し、効率的に速度を得るため、発射後しばらくはほぼ垂直に上昇し、その後水平方向に加速する重力ターンという飛翔を行います。
今回の弾道ミサイルが、発射直後から浅い角度で飛行を始めた場合、高度が上がらないものの水平方向の速度が高くなるため、着弾地点が日本に近づく可能性はあります。しかし、その場合は北朝鮮が早期に自爆させるでしょうから、1段目が完全に燃焼し、1段目ロケットの推力だけで日本に到達することは、極めて低い可能性だと言えるでしょう。

1段目は正常に飛翔した場合、次に失敗の可能性があるシーケンスは、1段目の分離に失敗する場合です。
ですが、直ぐに分かると思いますが、この場合は、秋田沖の予定海面に分離されないまま落下してくるだけです。(おそらく落下途中で空中分解するでしょうが)
なお、分離に成功したものの、2段目の点火に失敗してもほぼ同じ状況になります。

その次の可能性としては、1段目の切り離し及び2段目の点火に成功したものの、2段目のロケットの燃焼中に異状が発生する場合があります。例えば何らかの理由によりロケットモーターの燃焼が停止するとか、爆発してしまうケース、姿勢制御系の異状により、加速方向が変わるなどです。
この場合のみ、実際に日本に落下してくる可能性があります。(ただし、2段目の燃焼の早期に異状が発生するのでなければ、日本を飛び越えてしまいます)
ですが、この場合は1段目の燃焼もその後の分離も正常に行われているわけですから、秋田・岩手方向に飛んでいることは間違いありません。
つまり、予定されている飛行経路から大幅にずれた日本の領域に落下するということはあり得ない訳です。

という訳で、防衛省は首都圏に影響が及ぶ「もしも」のケースも考えているようですが、それはほぼゼロと言えるほど「もしも」のケースです。
つまり、発射直後から異常な方向に飛翔し、北朝鮮が自爆コマンドを入力するものの、ミサイルはその信号を受け付けず、なおかつ1段目の分離は正常に行われ、2段目による加速が始まったものの、2段目も早い段階から異状が発生する場合です。
(早い段階とした理由は、2段目ロケットの落下予定位置が、日本よりかなり離れた太平洋上に設定されているからです)

パトリオットに関して言えば、首都圏にかなりの部隊が展開していますが、今回は秋田岩手に展開する高射教導隊しか迎撃の可能性はないでしょう。

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