忘備録-北朝鮮による「ミサイル」発射事案
今回は、新たな分析評論記事はありません。
北朝鮮による「ミサイル」発射事案に関連して、いろいろと出てきた情報を、忘備録として記載しておきます。
1 飛翔体関連
・3段式(おそらく)で、先端部に衛星が入っていると思われる膨らみがあったと報じられたが、北朝鮮公開のビデオでは、形状は3段式だが衛星を入れたと思われる膨らみはなし。
・燃料注入は車両からではなく、地下に埋設されたパイプから。
・北朝鮮からIMOに通告された危険区域
4月4日-8日 毎日1100-1600(日本時間)
(1)
北緯40ー41ー40 東経135-34ー45
北緯40ー27ー22 東経138-30ー40
北緯40ー16ー34 東経138-30ー22
北緯40ー30ー52 東経135-34ー26
で囲まれる海面
(2)
北緯34-35-42 東経164-40ー42
北緯31-22-22 東経172-18-36
北緯29-55-53 東経172-13-47
北緯33-09-16 東経164-35-42
で囲まれる海面
・飛翔体は八峰町、角館市、普代村上空を通過
・飛翔体は第1宇宙速度に達していない。(=軌道投入は失敗)
・第1段ブースターは、通告海域に落下
・第2段以降の最終落下地点は、北朝鮮が事前に2段目ブースターが落下すると通告した千葉・房総半島東方2150キロから2950キロの太平洋上のうち、最も日本列島に寄った海域。ミサイルの飛行距離は、北朝鮮の舞水端里(ムスダンリ)にある発射施設から3200キロ前後。カートライト米統合参謀本部副議長は2段目と3段目の落下場所は「非常に近い」とし、「落ちた物体は原形をとどめていなかったようだ」と述べている。
2 政府関係
・迎撃は困難との認識を示した政府関係者は鴻池祥肇官房副長官
・自治体への情報伝達には、導入自治体が少ないため全国瞬時警報システム「J-ALERT(J-アラート)」は使用せず、専用回線メールで一斉同報する「エムネット」を使用(エムネットは市町村の担当課のパソコンにメールが届くと着信アラームが鳴り、職員が防災無線を使って住民に伝える仕組み。伝達に5分程度かかるが、全国自治体の約7割で整備)
・中央指揮所は午前11時31分ごろ、米国の早期警戒衛星による発射情報を確認
・32分、「北朝鮮から飛翔(ひしょう)体が発射された」と発表した。
・11時48分ごろ、日本の東約2100キロの太平洋上まで追尾し、レーダーの捕捉範囲の限界に達した。
・日本の領域への落下物はなく、破壊措置は実施せず。
・P3Cが、落下推定時刻の38分後の同日午後0時15分ごろ、落下推定海域から西に約40キロの海域で、半径約50メートルの円形状の変色を確認。午後3時ごろには、幅約50メートル、長さ3キロの帯状になった。薄く光る状態で、ブースターから液体が流れ出した可能性があると報道された。
・2段目のブースターの落下について、河村官房長官は「日本の東約1270キロの太平洋上に落下したものと推測される」と記者会見で発表したが、防衛省は発表文から落下予測地域を削除し、「分析中」と訂正した。その後再度1270kmを落下予測地点とした。しかし、第2段ブースターの分離は確認していない。
・1段目のブースター落下予想地点を報告した時点で、現時点で推測される飛翔体の落下地点は房総半島の東方約1270km、落下予想時刻は43分頃と報告されている。
・政府は、弾頭には見せかけの衛星を載せただけで、ブースターの出力や制御を試すミサイル実験だったとの見解で、表現も「飛翔体」から「ミサイル」に変更。
・破壊措置命令は6日に解除
3 米軍関係
・嘉手納に展開した米軍の偵察機は、RC-135U(コンバットセント)が1機、RC-135S(コブラボール)が2機、U2が1機
・米軍MD対応イージス艦は「ステザム」、「カーティス・ウィルバー」、「シャイロー」、「フィッツジェラルド」を含む6隻以上、ただし「ホッパー」、「ジョン・S・マケイン」は横須賀に入港したまま
・弾道ミサイル観測艦は、オブザベーション・アイランド(T-AGM-23)が確認されている(4月7日朝に佐世保に入港)もう1艦のインディペンデンスについては不明
4 その他
・北朝鮮は4月1日までに、舞水端里近くにの基地にミグ23などの戦闘機を移動
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