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2009年4月21日 (火)

放棄されたシビリアンコントロール

今回の北朝鮮による「弾道ミサイル」発射に対して、いろいろと課題は出てきたものの、日本政府の対応は良かったと評価されていますし、私もそう思います。

ですが、政府として決定的な失策が一つありました。
それは、シビリアンである内閣総理大臣が、シビリアンコントロールとその責任を放棄してしまったことです。

このブログでも何回も触れましたが、今回自衛隊に命ぜられた弾道ミサイル等の破壊措置は、自衛隊法82条の2の3項を適用されてのものでした。

これは、「事態が急変し同項の内閣総理大臣の承認を得るいとまがない」場合に適用される条項です。ですが、今回は十分な「いとま」がありました。にも関わらず、政府は今回、飛来する恐れは認められないが、「事故が発生したら落下する場合がある」ことから3項を選択した、と言われています。
一見、筋が通っているようにも見えますが、こちら に在るとおり、防衛白書でも「事柄の重要性および政府全体としての対応の必要性にかんがみ、内閣総理大臣の承認(閣議決定)と防衛庁長官の個別の命令を要件とし、内閣および防衛庁長官がその責任を十分果たし得るようにしている」と書かれており、3項はあくまでいとまのない緊急時のみの条項として法律が制定されました。逆に、「いとま」がある場合は1項を適用し、内閣総理大臣が承認することを前提としているのです。

つまり、今回の措置では、内閣(総理大臣)がその責任(シビリアンコントロール)を放棄してしまったのです。
防衛省・自衛隊に責任を押し付けたとも言えます。

最近では、田母神元空幕長の更迭問題などがシビリアンコントロール上の問題と言われることもありましたが、今回の事案にあたって、内閣自らシビリアンコントロールを放棄しているようでは話になりません。

今後は、もっと責任ある対応をとって頂きたいものです。

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防衛関係法規・規則」カテゴリの記事

コメント

1 ■解釈の違いかも。
本来のシビリアンコントロールというのは、柵を作ることで行動範囲を示し、その中で行動することを強制する(しかも監視しながらも)だと思います。行動の監視と柵作りまでがコントロール範囲です。当然その作った柵の中で大きな間違いをしでかした場合はしでかした本人はもちろんのこと、文民も同様に責を負うべきものです。ですが、今回のエントリーにおけるシビリアンコントロールというのは、日本型というか、ある意味いつかの共産主義型というか、行動の一つ一つを承認し、行動させるマリオネット型のものです。できれば、シビリアンコントロールの姿について解説してもらってから、このエントリーを投稿して欲しかったなというのが正直なところではあります。読んでて混乱しました。ま、どっちにしても何かやらかしたら現場の責任「のみ」にされちゃうので、どうしようもないんですが。昔からですし。

2 ■伝える
伝えたいことを伝えられるように書くことは難しいですね。混乱させてしまったようで申し訳ありません。今回の件については、ちょっとばかり経緯があります。自衛隊法82条の2の法文検討の際、部隊サイドには3項のみで良いという意見がありましたが、最終的には1項を主軸として、3項は非常の場合用という位置付けになってしまいました。この点で悔しさがあったので、「1項を作ったのなら、ちゃんと1項で発令しやがれ!」ということが言いたかったのですが、読み返してもちゃんとそれが伝わるようには書けているとは言えないかもですね。どちらにしても現場の責任にされてしまうということはその通りかもしれませんが、今回の3項選択は、「政治は責任を取らないぞ」という姿勢の表明にも見えました。実際には官房長官が逐一会見を開く状況だったので、マスコミの矢面には政治が立ってくれましたが、釈然としなかった今回の発令でした。
http://ameblo.jp/kuon-amata/

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