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2009年3月 8日 (日)

尖閣防衛の鍵は

クリントン国務長官が最初の外遊先に日本を選び、オバマ大統領がホワイトハウスに招く最初の外国首脳として麻生首相を選ぶなど、オバマ政権の日本重視の姿勢に気をよくしたのかもしれませんが、麻生首相は、2月26日の衆院予算委員会において、「尖閣は日本固有の領土である以上、日米安全保障条約の対象になる」と述べ、尖閣が紛争の場となった場合に、アメリカが日本側に立って参戦するとの見解を示しました。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009022600059
この時、民主党の前原氏が求めたこともあり、裏づけを取るためにアメリカ側に確認することも約しています。


ところが翌27日、読売新聞はアメリカ側がこの件に関して「領土問題は当事者間で平和的に解決するべきだ」と回答しているという内容を報じています。
同新聞社による文書での照会に対しても、アメリカ国務省は「米国は国際合意を順守する。米国の政策は一貫している」と回答しているそうです。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090226-OYT1T01251.htm


麻生首相が見事に袖にされた形ですが、この回答は頂けません。これでは、尖閣の領有権を主張する中国を助長してしまいます。
1950年、当時のアメリカ国務長官だったディーン・アチソンが「不後退防衛線(アチソン・ライン)」演説(米国が軍事侵略に断固として反撃するラインを日本・沖縄・フィリピン・アリューシャン列島とした)が、朝鮮戦争を誘引したように、中国による軍事侵略を暗に認めるというメッセージを送ってしまうことになります。


同記事では、「日本政府は「米側は政権移行期のため、最低限の回答をしている」と分析、政治任用の実務責任者が空席の影響もあると見て、国務、国防両次官補が承認され次第、改めて確認を求める考えだ。」と書いており、日本政府として、表面的にはアメリカ国務省を立てているようですが、実際にはかなり強硬な抗議をしたのでしょう。
3月4日には、尖閣諸島にも日米安保条約が適用されるとのアメリカ国務省の公式見解が示されたことが報じられています。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090305-OYT1T00621.htm?from=main2

この見解は、国務省の当局者が「尖閣諸島は沖縄返還以来、日本政府の施政下にある。日米安保条約は日本の施政下にある領域に適用される」と述べたもので、同じ見解が日本政府にも伝えられたとの事です。

同報道によると、この見解は「クリントン政権時の1996年と、ブッシュ政権時の2004年に、米政府高官が示した見解と同じ」だということで、規定路線であるようにも見えます。

ですが、この見解が示されるわずか2日前に行われた国務省の記者会見でも、ドゥーグッド副報道官代理は、この問題に関する質問に、「持ち帰る」として、回答しなかった経緯があり、いくら政権交代期とは言え、アメリカの確固たる姿勢ではないことが読み取れます。


そのためか、「現在は民族主義的な反応を見せるべきではなく、解決は日中の力関係が変化する時まで冷静に待つべきだ」などとする中国(香港)紙の報道まであります。
http://www.recordchina.co.jp/group/g29089.html
これには、「今後、中国経済は成長を続け、日本経済が衰退へと向かう中、未来に解決を図る方策は中国にとって有利に働く」との分析がベースにあるようで、いずれアメリカによるコミットメントが後退し、アメリカが中国の領有権を認めざるを得なくなると見ているようです。
実際、現在でも中国はアメリカの国債を大量に保有しており、アメリカを経済面からコントロールできる力を持ちつつあります。日本でも同じような話がありましたが、米国債の売却は恫喝にもなるのです。中国による米国債の売却を、日本が買い支えできなければ、本当にアメリカが中国の言うことを聞かなければならなくなる日も来ないとは言えません。


中国が海空戦力を中心とした急激な軍拡を続けているため、尖閣諸島周辺での日中間の軍事バランスは、既に日本がアドバンテージを持っているとは言えない状況になっています。
それだけに、尖閣防衛の鍵はアメリカのコミットメントにあると言えます。


尖閣防衛のためには、軍事的努力も必要ですが、外交面の努力が不可欠です。

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