外相、首相の発言は布石
中曽根外相が「仮に(北朝鮮が説明する)人工衛星であっても、発射すれば国連安保理決議違反だ」と発言しています。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date4&k=2009030100020
また、麻生首相も「国連の安保理決議1718違反であることははっきりしている。国連の対応が安保理で決められるだろう」と言っています。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date3&k=2009030200923
これら発言の目的は、北朝鮮に圧力をかける(発射を思いとどまらせる)ためのものだと言われています。
もちろん、それは間違ってはいませんが、首相や外相のコメントとしてはずいぶんと踏み込んだ発言に思えます。
少し穿った見方ですが、この背後にはアメリカの思惑があるのではないでしょうか。
アメリカは、何人かの政府関係者が、今回の北朝鮮の「人工衛星」に対して「迎撃」を行うことをほのめかしています。
アメリカは、もし打ち上げの失敗でアメリカに落ちる可能性が出てくれば、実際に迎撃を行う可能性が高いでしょう。
この時、日本はFPSー3改などの航跡データを米軍に提供していますから、日本として意図していなくても集団的自衛権を行使し、アメリカの防衛に協力したことになってしまいます。
そうなれば、集団的自衛権を行使できるとの解釈変更は、まだ行われていないので、政府に批判がでることは間違いありません。
今回の首相と外相の発言は、このことを念頭にして、少しでも批判をかわすため、国連決議違反だとする政府見解があることを明確にしておきたいのでしょう。
防衛省か外務省の中から、「なし崩しに集団的自衛権の行使となってしまうかもしれません」なんて報告されたのかもしれません。
また、浜田防衛相が(やっと)人工衛星であっても迎撃を行う可能性について言及しています。
http://www.47news.jp/CN/200903/CN2009030301000326.html
加えて、昨日の記事で既に日本海に居るかもしれないと書いたイージス艦ですが、日本海に出すことは(これもやっと)固まったようです。
http://www.47news.jp/CN/200903/CN2009030301000203.html
だんだんと書いたとおりになってきました。
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1 ■実のところ…
あんま言ってはいかんのかも知れないのだけど、諸部署、他官庁官での調整がまともに終わってない状態を受けての社長のコメントに涙した人は滅茶苦茶います。せめてあと数日待って欲しかったなあ。。。。
投稿: さむざむ。 | 2009年3月16日 (月) 23時05分
2 ■そうでしたか
外から見ていると、ゆっくりしているように見えるんですが、それでもまだ調整不足でしたか。
まあ、他省庁が危機感を持ち出したのは最近になってからでしょうから、仕方ないかも知れませんね。
今は首相も防衛相も問題発言度が高そうだから、中の人は大変だ。
http://ameblo.jp/kuon-amata/
投稿: 数多久遠 | 2009年3月17日 (火) 22時14分