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2009年1月19日 (月)

不発弾で死傷

以前も不発弾関係の記事を書いていますが、今回ちょっと大きなニュースになったので、書いてみます。
沖縄県南部の糸満市で、工事中に地中に埋没していた不発弾が爆発して、工事関係者が負傷するという事故が発生しました。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-139848-storytopic-152.html


負傷者は2人で1人は予断を許さない状況が続いているようですが、250キロ爆弾が爆発したと見られることを考えれば、奇跡的と言えるほど被害は少なくて済んでいます。


負傷者が出たため、全国紙にも取り上げられてニュースになりましたが、沖縄県では今でも不発弾の発見は珍しくありません。


私が那覇基地で勤務していた時にも、基地内の工事現場から何回も不発弾が発見されていましたし、ちょっとした事件になったケースもありました。

ある日、普通にオフィスで仕事をしていると、いきなり火災警報器が鳴り出しました。
「どこだ?」と騒いでいると、「外だ」と言う声が聞こえ、飛び出してみると、庁舎の裏の丘から煙が出ていました。
早くも数人が消火器を持って近づいて行きましたが、きれいに刈られた芝の丘から煙が吹き出しており、様子がおかしいので、彼らは遠巻きに観察していました。
しばらくすると煙は収まり、不発弾じゃないかということになり、基地のすぐ隣にある陸自那覇駐屯地から、不発弾処理隊に来てもらいました。
結果は、土中に埋まっていた不発の発煙弾が、周辺の土が流れ出た結果地表として地上に現れ、腐食した結果、内部に侵入した水と黄燐が反応して煙が吹き出したものということでした。


沖縄では、この程度の事件は山ほどあります。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-139964-storytopic-152.html

そのため、本土では信じられないほど不発弾の危険性に無頓着になっています。
今回の事故も、自衛隊発注の工事では必ず行っている地中の磁気探査を実施していなかった事も事故の一因となっています。
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-01-15-M_1-001-1_002.html?PSID=934d530ab419715052ba5dc0bacb433c


沖縄の方が、不発弾に対して無頓着になっている例として、こんな事例もありました。
ある時、某分屯基地のゲートに軽トラが現れ、乗っていた方が「畑から出てきたので預かってくれ」と言って荷台を指差しました。
そこに乗っていたのは、数発の不発艦砲弾だったそうです。
空自の分屯基地としても、役割が違うから持って帰れとも言えず、ゲート脇の空き地に降ろすと防爆措置(もし爆発しても被害が出ないよう、防爆マットや土嚢で覆う措置)をして不発弾処理隊を呼びました。


不発弾の処理費用は、来年度から全額国庫負担になることが決まっていますが、工事の前に行うべき磁気探査の費用は一部が沖縄で負担しなければならない状態が続いています。

沖縄では、今なお2500トンの不発弾が埋まっていると見られ、全てを処理するためにはあと80年かかるとも言われています。

以前の記事でも書きましたが、工事前の磁気探査を含め、不発弾処理に絡む費用を沖縄に負担させることは筋違いでしょう。
費用のかかる事とは言え、国が責任を負うべき問題です。

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