省エネじゃない
訂正記事という訳ではないですが、余りにもタイムリーな新情報があったので紹介します。
1月8日にエコ燃料について記事を書きましたが、そのちょうど翌日、防衛省が車両のハイブリッド化・電気自動車化、代替燃料開発の検討に着手することが報じられました。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090109-OYT1T00438.htm
タイトルには「自衛隊も省エネ」とありますが、省エネが目的ではありません。
「エコ燃料」 や上記ニュース中でも指摘されている通り、石油燃料に全面的に依存した状態がまずいからです。
あれだけ原油価格が高騰し、燃料費がかさむと、やはり手をこまねいている訳には行かなかったのでしょう。
米国に調査団も派遣したようです。
記事に書いた代替燃料の話だけでなく、米国の取り組みには、太陽光や地熱発電所を基地内に設置することもあったようです。その中で、太陽光発電については、本気で検討しても良いかもしれません。
外部の発電所に電力供給を100%依存するよりも、自前の発電能力を持つことは、冗長性の確保にもつながり、能力の向上になるためです。
現在でも、外部からの給電が止まった時のため、発動発電機は多数装備されていますが、自家給電能力が高まることは良いことです。
太陽光発電は、発電効率の向上も著しく、早ければ数年後にもコストが通常の発電と同レベルになるという予測もあります。
今現在は、庁舎の屋上は物干し場としてしか活用されていませんが、10年後には発電用パネルが並んでいるかも知れません。
1月8日にエコ燃料について記事を書きましたが、そのちょうど翌日、防衛省が車両のハイブリッド化・電気自動車化、代替燃料開発の検討に着手することが報じられました。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090109-OYT1T00438.htm
タイトルには「自衛隊も省エネ」とありますが、省エネが目的ではありません。
「エコ燃料」 や上記ニュース中でも指摘されている通り、石油燃料に全面的に依存した状態がまずいからです。
あれだけ原油価格が高騰し、燃料費がかさむと、やはり手をこまねいている訳には行かなかったのでしょう。
米国に調査団も派遣したようです。
記事に書いた代替燃料の話だけでなく、米国の取り組みには、太陽光や地熱発電所を基地内に設置することもあったようです。その中で、太陽光発電については、本気で検討しても良いかもしれません。
外部の発電所に電力供給を100%依存するよりも、自前の発電能力を持つことは、冗長性の確保にもつながり、能力の向上になるためです。
現在でも、外部からの給電が止まった時のため、発動発電機は多数装備されていますが、自家給電能力が高まることは良いことです。
太陽光発電は、発電効率の向上も著しく、早ければ数年後にもコストが通常の発電と同レベルになるという予測もあります。
今現在は、庁舎の屋上は物干し場としてしか活用されていませんが、10年後には発電用パネルが並んでいるかも知れません。
「軍事技術」カテゴリの記事
- US-2を上回る中国の飛行艇開発を歓迎する(2015.01.17)
- 水中弾?の研究(2013.10.20)
- 2波長赤外線センサ_作りたいモノを作るのか、必要なモノを作るのか(2013.05.12)
- レーダーとオシントについて補足(2013.03.31)
- レーダーのビーム幅とオシント(2013.03.28)
1 ■現実的じゃない気が。
毎度後ろ向きでゴメンして(笑)
でも、現実的には無理だと判断します。もし採用されるにしても昼間電力のピークカット程度の規模でしか運用できないと思います。
理由は幾つかありますが、そのなかでも最大のものは「バッテリーの維持管理する金がない」「そもそも施設維持費が異常に少ない」という理由ですね。例えば鉛バッテリーだけ考えても一般品で3年、ロングライフ品で5年で容量が3割減ります(通年25度維持した場合における最良値)。UPS用の交換バッテリーすら買ってくれない我が社ではまず無謀な頻度の金額と更新頻度になるでしょう。
次に問題になるのはPC等を含む消費電力を大きく下げる努力がないことです。防衛省仕様のOLPCのようなものをまずは開発することで電源負荷を下げるのが先決ですが、そんなプロジェクトはうちの管理部門も財務も経産も許してくれません。建屋やテントに断熱・遮熱効果を高めるにしても、そのプレミア予算はそもそも認められませんし、もし認められるにしても更新頻度が激しく落ち込むことが必死です。
その辺の事情を鑑みると、どうしても維持管理コストが限りなく安い手段しか残されていない事から、1)太陽電池モジュール+同期型DC/ACコンバータを用いた昼間電力のピークカット、2)白熱灯の蛍光灯もしくは水銀灯(バラストレス含む)への交換(LEDは高いので選択肢としてあり得ない)、3)厚着/薄着の推奨、4)赤外反射フィルムの購入及び自隊施工程度が関の山かな。という感じがあります。というか、それくらいしか想像できません。
因みに言うと、技本が年間使用する施設の維持管理費は約1億円(施設総額比で言うと0.1%以下です)で、そのうち地震等による災害対策費保留分が三千万円前後という破格の予算しか無く、そのため職員が自腹でひび割れ補修材を購入して建物を修理したり、故障品を修理して再利用したりといった状態が続いています。ちょっと切ない面白情報でした:D
投稿: さむざむ。 | 2009年1月18日 (日) 11時47分
2 ■いえいえ、毎度ありがとうございます。
さむざむ。様
とんでもない、毎度ありがとうございます。
このブログ、読んで頂いている方は結構多いのですが、その数に比してコメントが非常に少ないんです。
たびたび力の入ったコメントを頂きまして、真にありがとうございます。
さて、太陽光発電ですが、可能性として私の念頭にあったのは、書いて頂いたバッテリーを持たない昼間電力のピークカット用です。
理由はやっぱりバッテリーの維持管理です。
私の場合、やっぱり発想は空自になってしまうのですが、空自基地の場合、たいての基地ではレーダーや各種システムへの給電及びそれらの冷却のためのエアコンに相当に電力が必要になってます。
(夏場になると、消費電力が契約電力を超えるので省エネしろという基地内一斉放送がかかることも珍しくありません。)
何らかの理由で商用電源からの給電が止まった際、当然発動発電機によるバックアップになるわけですが、これまた当然基地内の全電力を供給するほどの発電能力はありません。
重要な部分を中心に給電されるわけですが、この時にも(日中なら)太陽光発電があれば、照明を点灯する余裕ができるかも知れません。
つまり、昼間電力のピークカット用と割り切ったものでも、それなりに有用と思えた訳です。
ただまあ、正直言いまして、私も小池氏が防衛大臣に返り咲くか首相にでもならない限り、庁舎屋上が太陽電池になる可能性はほとんどないと思っています。
なにせ、防衛省は民間のようにCSRを気にしたところで評価されるわけではありませんから、経済性に見合うようになったとしても、財務を含む関係者に説明する労を払う人はほとんどいないだろうと思ってます。
(私が現役でもやっていないでしょう)
それと、頂いたコメントにあった、「3)厚着/薄着の推奨」ですが、これって自衛隊の方が民間より相当進んでますよね。
あと、照明の経済性については、LEDはなかなか難しそうですが、有機EL照明が相当進展してきているという情報も聞いてます。
まだまだ先のことでしょうけど
それにしても、現役時に研究関連の補職になったことはなかったのですが、技本って貧乏だったんですね。
http://ameblo.jp/kuon-amata/
投稿: 数多久遠 | 2009年1月18日 (日) 23時10分
3 ■何故べらぼうに少ないのかというと…
各所修繕費(庁費の一つ)を要求してないのにその予算を分捕る空の人が良くない。これに尽きます。ちょっと空の人に対して恨み言たーいむっ。
建物の保守・補修は各所修繕費という予算科目があり、それは各省庁の不動産管理部門が算出した不動産総額に基づき国交省に提出する修繕計画に基づいて歳出化される紐付き予算なのですが、修繕計画提出の段階では空の人は「ウチは施設があるんで要らん」とか言う(前々年度7月が修繕計画書作成の締め切り)くせに、いざ歳出年度になるとアレも壊れた、施設じゃ何も出来ない、緊急だと言って分捕って行くために自衛隊では陸さん、付属機関が大きく割を食ってるという背景があるんです。その点だけは海さんはしっかりしてて、毎年きっちりと修繕計画を提出します。そういう背景があるので貧乏と言われるのは正直心外ではあるんですが…(笑)
投稿: さむざむ。 | 2009年1月24日 (土) 11時59分
4 ■むう
そうだったんですか。
失礼しました。
確かに、陸と付属機関の施設はあまりきれいでない印象があったんですが、そんな事情があったとは。
陸については、駐屯という建前があるから施設は重視されないのかな?なんて漠然と思ってたんですが、それだけじゃないんですね。
それにしても、なんで改善されないんでしょう。
http://ameblo.jp/kuon-amata/
投稿: 数多久遠 | 2009年1月25日 (日) 10時46分
5 ■余剰マンパワー無し。
これに尽きますね。特に空さんの基地だと滑走路区域、エンジンテスト区域まで全ての損傷状況を調べ、業者見積もりを取る必要がありますが、それって基地総務課(つまり事務官)のお仕事であったりします。そもそも建築基準、修復方法といった専門知識が無い上に2,3人で調べ上げるのですからまともな調査になるわけもありません。海さんの場合は基地指令が各部署に調査しろと号令を掛け集めるんですが。そうやってただでさえ辿々しい調査状態が問題の発端にあります。これは付属機関も同じですね。オイラは学生時代に偉い勢いで色々バイトしてたので、どんな風にRCS構造を作るのかとかを勉強しながらやってたんで、他の事務屋さんよりも半馬身くらい多く知ってる程度ですが。
そして今や公務員改革という名の下にばっさり人員を削っています。平均値としては15%程度じゃないかな(削減した上に定員減)。酷いところだと30%くらいにまでなっています。そんなわけで、もうそんなことやってるヒューマンリソースなんてないんです。
かといって施設整備で予算要求するにも何度も市ヶ谷に足を運ばなければならないのですが、ヒューマンリソースが余りにも足りないために市ヶ谷詣でする時間もない。という状況にまで追い込まれています。本来なら専門家を派遣し、損傷状態を調べ、費用含む修理計画を作るところまでを外注しなきゃならんのですが、それはどうも「余分」な予算と思ってるようで、曖昧な基準、専門工具・装置がないと調べられない項目のある建物評価マニュアル(数百項目)を渡して自前で調べろと言ってる状態であり、ますますヒューマンリソースを食う状態にあります。
個人的な意見では、明らかに組織力が崩壊してると感じますね。なんせ、20年選手の設備が調子悪くなったと報告したら何故壊したとばかりの返答が来るくらいですから(笑)
投稿: さむざむ。 | 2009年1月26日 (月) 00時48分
6 ■根っこは
確かに人は足りないんですが、本当にそれだけでしょうか。
さむざむ。様のお話のとおりだとすると、空自は、やるべきこと全くやってない訳ですから。
業計要望などには直接かかわっていたものの、施設要望関係は装備部マターで、全くノータッチでした。
そのため、施設関係は正直言って暗く、推論できるネタも持ってないのですが、あまりに酷いような気がします。
ただ、空自の場合は、施設自体が戦力発揮に直接かかわるため、それをネタにして予算を横取りしているなんてことはありそうですが。
「人員削減については、本当にこれでいいのか?」と思うくらい進められてますね。
特に、事務官定員の削減については、実際に歪が生じてしまっている部隊も出てます。
「自前で調べろ」ってのは良く聞く言い方ですが、本当に調べて要望を上げて欲しいのではなく、要望をつぶすための言い方です。
その辺は、どこも変わらないんでしょうね。
民間と比べると防衛省(に限らずですが)が改めるべきは形式主義ではないでしょうか。
国民の税金を使う以上説明責任があると言うのが建前ですが、行過ぎた形式主義のおかげでかえって無駄が生じています。
「自前で調べろ」はその良い例です。
組織力が崩壊しているのでは、との事ですが、上には上の苦労もあるようにも思います。
耐用年数前の物品は壊れないという建前で予算とってますからね。(それ自体間違ってますが)
私は、根っこは財務省の姿勢にあるように思います。
それから、空自の場合、施設は航空団などの装備部施設課が所掌してます。
http://ameblo.jp/kuon-amata/
投稿: 数多久遠 | 2009年1月26日 (月) 17時23分