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2008年12月26日 (金)

艦隊の防空能力 (空母保有論議その7)

このシリーズもやっと最終回を迎えました。
最後に、艦隊の防空能力について書きます。


海自艦隊の防空能力を語る上で、最も問題な点は、艦隊防空可能なイージス艦がわずか6隻しか存在しないことです。

世界最強と比べても詮無いことかもしれませんが、米海軍の空母機動部隊では、空母の護衛となるタイコンデロガ級巡洋艦とアーレイバーク級駆逐艦は、全てイージスシステムを装備し、艦隊防空能力を持っています。一例として横須賀を母港とする第7艦隊の第15駆逐隊の編成を見てみると、
タイコンデロガ級巡洋艦×2隻 VLS各122セル
アーレイバーク級駆逐艦×7隻 VLS各 90セル
となっており、艦隊防空に使用されるスタンダードミサイルの搭載数は、VLSの半数にしか装填していなかったとしても400を優に超えます。


日本が空母を保有する際には、ひゅうが型護衛艦と同様に、個艦防空用のESSMを装備することになるでしょうが、個艦防空だけで十分なはずはありません。
ESSMについては、限定的な艦隊防空能力があるとも言われますが、ESSM搭載改修の施された汎用DDで空母を守る場合、空母の直近に位置しなければならなくなります。
(一般的に、接近してくるミサイルは迎撃し易いが、横行する目標は迎撃し難い)
そうなれば、対潜戦での縦深も浅くならざるを得ませんし、各艦相互に船影がレーダーマスクとなり、対空戦闘での支障にもなります。


やはり、艦隊防空能力のあるイージス艦で対空防御を行うことが望ましいのですが、昨今の情勢では、イージス艦はMDの主力でもあるため、空母の護衛にまわすことは困難でしょう。
MDの実施においては、元来艦隊防空用だったイージスが、逆に守られる立場になっているくらいです。


海自に空母を配備するためには、SM-6の開発状況も見ながら、防空能力の高いイージス艦を増やしていかなければなりません。
しかし、あたご型の2隻を配備した以降、海自は19DDなど、汎用型護衛艦の更新に向かっています。
海自自身、空母保有に関して、願望はあったとしても、展望はないのでしょう。


個人的には、政治が空母保有を認めるくらいなら、(対艦攻撃能力もある)爆撃機を保有した方が得策だと考えてます。
ここ最近でも、中国による空母保有が噂されてますが、対抗して空母を保有するよりも、中国の空母に脅威となる爆撃機or(長距離)攻撃機を持った方がコストパフォーマンスは高いでしょう。

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空母保有」カテゴリの記事

コメント

爆撃機で空母に対抗する?(失笑)わけがわからないですね。対艦攻撃はF-2の仕事です。
それに艦隊の防空能力と爆撃機の関係性が解らない。

それにもう一つ疑問なのが米海軍の空母機動部隊と比べている事。米国の他にも空母を保有している国は英や仏、露、伊などがありますが、米海軍ほどの規模なんかありませんし、空母艦隊=米海軍レベルでなければならない決まりもないでしょうよ。

海自はひゅうが型や22DDH型を保有している、する事になるわけですが、ある意味この2タイプの護衛艦は空母みたいなもんですよ。
つまりイージス艦が米海軍空母艦隊並になきゃ空母は持てないなんて話ではないという事です。

にしても管理人さんは爆撃機もてとか言いますけど、どんな理由付けしてそんなものを持つ気でいるんですか?どれだけの機数を持てばいいと考えているんですか?
私ならわけのわからん爆撃機を持つくらいなら、洋上防空や島嶼防衛における陸自部隊の輸送、災害派遣、国際平和維持活動にも派遣出来る多目的空母を持つ方が断然日本の国益になると思いますね。

まさちゃん 様
冷戦時代に米空母機動部隊最大の敵がバックファイアだったこと……、中国が接近阻止戦略のためにH-6の一部を海軍所属で対艦攻撃任務に当てているだけでなく、随分前からバックファイアやブラックジャックを欲しがっていること……は、ご存じないみたいですね。
爆撃機で空母攻撃はメジャーな戦術ですよ。

このシリーズ記事は、2チャンで「海自空母を妄想するスレ」があったりと、空母厨な方がけっこういらっしゃるので、そんなの割に合わないよ、と言う趣旨で書いているものです。
ですので、ここで書いている海自艦隊というのは、海自が空母を保有した場合の空母機動部隊のことです。

米海軍の空母機動部隊を出しているのは、上記のバックファイアによる飽和攻撃対処のため、イージスを多数配備した機動部隊を編成しているので、防空能力の説明のために例として引いているのです。

爆撃機保有が良いと言っているのは、中国の空母に対抗して自衛隊が空母なんか保有するくらいなら、中国の空母を沈めるために爆撃機を買った方が安い、という趣旨です。

シリーズの他の記事も読んでいただければ、理解して頂けるかと思いますが、爆撃機による空母攻撃などをご存じないようでしたら、そのへんは調べて下さい。

ひゅうが型や22DDHを形が空母みたいなものだという認識なら、そのへんも。
あれはヘリ空母だ、というなら、そうも言えますが、へり空母は固定翼機用の空母とは似て非なるモノです。

ちなみに、中国の空母対処用として爆撃機を用立てるなら、まあ中古のB-1が2機もあれば十分です。
たぶんそんな話がでれば、中国から激烈な反応が来ますが
(ミストラルに脅威がおよぶロシアからも)

冷戦時代のソ連よろしく、爆撃機で艦隊に飽和攻撃を仕掛ける、と言うのは理解できるんですが。
B-1はないんじゃないでしょうか。

現状で対艦ミサイルの運用能力がありませんし、旧時代の、それも後付改修のステルス機は扱いに苦労しそうです。
記事中の”(対艦攻撃能力もある)爆撃機”に相当する機体とは思えません。

P-1にしてもそんなに大量に対艦ミサイルをぶら下げられないでしょうから、結局はF-2+ASM-3の組み合わせが一番効率的な気がします。

へり空母は一般論を語れるほど数がありませんが、ひゅうがに関して言えば実際に見てみた限りは空母船型をしていますが、しっかり護衛艦でしたね。能力的にも砲がないだけで、艦自体が汎用DD以上の防空、対艦能力持ってますし。

ただ、22DDHは構想図を見る限りはまた違った物になりそうです。あのままなら、イタリアのカヴールと同様の艦になるはずで、多目的軽空母以外の何物でもないでしょう。もっとも日本にはVTOLの艦載機がありませんから、同じような使い方はできのないのですが、艦隊の中で守られるHVUであることは違いないと思います。

19DDの僚艦防空能力は結構高いとも聞きますし、現実的には固定翼艦載機不在のまま、多目的軽空母を保有することになるのではないでしょうか。中国相手の戦力として考えると空母というより揚陸艦か高速輸送艦として使うことになるのでしょうね。

藤宮 直樹 様
もちろん、B-1はASM-2(3)を撃てるように改修して使用します。

爆撃機が対艦攻撃機として優れているのは、ミサイルの搭載能力(数)だけではありません。
最大のメリットは、その長大な航続能力です。
B-1の場合、低高度侵攻能力があることもあり、フィリピンの南を廻って海南島周辺を南から衝くような作戦も可能です。
つまり、爆撃機を装備すると、中国の艦船はどこにいても脅威を受けることになります。

空中給油機(恐らくAWACSも)を使えば、F-2でも長駆した攻撃作戦は可能ですが、攻撃編隊が大規模になり、運用も困難ですし、なにより作戦企図の秘匿も困難です。
特に、企図の秘匿が困難だとASやEFとして戦闘機も付けなければなりませんから、なおさら大変になります。

日本が爆撃機を装備すると、中国の空母はどこにいても常時早期警戒機を飛ばして警戒が必要となり、空母運用の困難は飛躍的に増大します。
ということで、日本がかけなければならないコストに比して、中国側がかけなければならないコストが非常に大きくなるんです。
対抗して空母を装備するより、よっぽどお得です。

22DDHは、いわゆる多目的艦ですね。
それをDDHと呼ぶのは詭弁だと思いますが……

また、たとえF-35VTOL型を買ったところで、ひゅうが型にしても、22DDHにしても運用能力はありませんから、軽空母と呼ぶのは間違いじゃないでしょうか。
耐熱甲板やスキージャンプを付けるとしたら、相当トップヘビーになりそうですし、新規建造の方が安いなんてことになりかねません。
よしんば改修したとしても、中国の空母と対峙したときに勝てるかと言えば、可能性は低いように思います。

書かれているとおり、揚陸艦としての使用でしょう。

お初です(o・ω・)ノ))

F35VTOLを導入するのは当初から想定されていませんし、空自が戦闘機を運用するにしても訓練・ノウハウともにありませんから厳しいのでは?

中国空母に対する抑止力とするならばやはり海自の潜水艦でしょう、彼等ならエンジン切って潮流に任せて艦隊に突入、空母撃沈離脱くらいやってくれるのではww

っていうのはまぁ漫画の見すぎってもんですがw爆撃機を保有することで発生するのはデメリットばかりでは?なんせ攻撃兵器をもつことを極端に制限されるお国柄ですし、たった2機や3機の運用のために莫大な国防費を出すつもりですか?
整備費、パイロット・整備士育成、機体の購入、訓練費で年間何百億飛ぶんですよ?

爆撃機を保有するぐらいなら射程が長く且つ高速でステルス性を有する地対艦ミサイルでも用意したほうがマシってもんです
付け加えるなら、それを沖縄に配備してシェルター運用しいつでも撃って離脱できる状況を作り、さらに防空用に高射隊2個中隊とそれらの護衛の1個普通科連隊で十分です

中国空母の相手はこのステルスミサイルでしょう

舞姫兎 様
潜水艦については、同一カテゴリーの最近の下記記事を見て頂ければと思います。
http://kuon-amata.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-67b1.html

この記事シリーズ全体の趣旨が空母保有は高く付くということで書いてます。ですので、その意味から言えば、爆撃機保有のコストが年間何百億であるならば、空母より余程安いと思います。

ミサイルの高速化、ステルス化は、当然の方向です。
地対艦ミサイルで済むのでは?、という事に関しては、長距離での地対艦ミサイル運用には、別にセンサーが必須です。地球は丸いので。
対艦攻撃機は、センサー+攻撃能力です。

こんにちは(o・ω・)ノ))

読ませていただきました、それだったら爆撃機のほうがやすあがりだということですね(´・ω・`)

地対艦ミサイルに関してだけ言えばP-1哨戒機等から情報をもらったりすることで問題ないと思います、新たに開発を目指す地対艦ミサイルがどれほどの性能をもつのかは出来てみてのお楽しみですが。
空母に対抗するために射程を延伸、ステルス化、高速化、情報共有能力は確かに当たり前かもしれませんね。

お返事ありがとうございました(m´・ω・`)m

舞姫兎 様
残念ながら、P-1に空母を捜索させることは困難です。
空母には、当然ながら早期警戒機が随伴するので、見通し距離の関係から、P-1が空母を捕捉するのよりも、間違いなく先にP-1が見つかります。
当然、そうなれば艦載機の要撃を受けます。足が遅いので、要撃を受けてから逃げ切ることはできません。帰還を考慮しなければ、撃墜を受ける前に捕捉はできるかもしれませんが。

イージス艦について何ですが、イージス艦は確かに現状では最強の防空艦です。

しかし、最強ではあっても絶対的な物ではありません。

本来は米空母の護衛として艦載機のCAP(哨戒飛行)をくぐり抜け、迎撃を退けた敵が攻撃して来たミサイルを迎撃する最後の楯な訳です。

現状の自衛隊では空自戦闘機の行動圏内でしたら米空母より良い環境でイージス艦は艦隊防空を果たせるでしょうが、その圏外に出たら一たまりもありません。

そして、昨今話題になる尖閣方面は空自戦闘機の行動範囲ギリギリで、島嶼に基地が置かれればそれが最良ですが、それが出来ない状態が続くなら空母保有が意見として出るのは仕方ないと思いますよ。

ご理解されているようですが、極端な話、空母は、自艦の防衛がするのが関の山で、基本は攻撃のためのものです。

防空のために空母を買うくらいなら、下地島空港と宮古空港と新石垣空港の基地化ができるでしょう。

それを言うならば空母はその所属する艦隊を防御するのが限界なのでは?

そうでなければ、艦隊に属する他の艦艇を艦隊航空は護れてない事になるかと…

また、基本的に空母は攻撃的な兵器ですが、恒常任務はCAPという防御的な任務ですが、そこの処はどうなんですかね…

個人的には艦隊防空(より攻撃的に作戦区域の航空優勢確保)というのも空母の攻撃任務と同じくらい重要な任務と考えているのですが…


また、離島への基地敷設は政治的な問題で今まで困難だったと思いますし、兵站維持を考えると空母と同じくらいの維持コストが掛かる覚悟が必要だと思います。
硫黄島とかは空輸以外の手段が無いので大変な事になってますし…(常駐の航空隊は無くなったと記憶してます)

ミラー 様
空母機動部隊に対するCAPは、それ自体が任務な訳では無く、任務達成に付随的に行っている事ではないでしょうか。

艦隊が存在する事自体が任務のプレゼンスにおいては、ある意味任務かもしれませんが。

人もいない無人島への基地建設は確かに大変でしょうが、そのような提案はしておりません。

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