田母神空将の歴史感と職務姿勢
前回の記事は、ニュースを見て慌てて書いたので、触れ忘れた分がありました。そこで前回に引き続き、田母神空将の論文と更迭問題について書きます。
今回の件は、特に歴史認識が問題となっています。ですが、正直に言いまして、私は戦争や戦闘には興味はあっても過去の歴史には興味がないため、田母神空将の論文に関して、どの程度正しくどの程度誤りがあるのかは分かりません。
そのため、歴史認識はとまれ、これまでの田母神空将の職務姿勢について書きたいと思います。
いろいろ騒がれている中で、田母神空将が太平洋戦争に関して反米的な内容を書いていることをもって、彼が日米同盟を怪しくしていると言うような論調が一部にあります。
あの論文を読んで喜ぶアメリカ人はいないと思いますが、田母神空将が日米同盟に多大な貢献をしてきたことは、日本以上に米軍関係者が理解しています。
現在、日米共同の下、MDが強力に推進されています。
それは、まもなく実施される航空総隊司令部の横田基地移転に象徴されていますが、実際に最も重要な点は、米軍へのBADGE、JADGEデータの提供です。
これは、小説中にも描いたように、状況によっては集団的自衛権の行使ともなるものです。
現在まだ政府解釈の変更は行われておりませんが、既にフライング実施されていると言えます。
そして、これを先頭にたって推し進めたのが、田母神空将でした。
彼は、2007年3月に空幕長に就任する前、2004年8月から2年半の間、航空総隊司令官でした。
この間に、総隊から米軍へのデータ提供が開始されると共にCOC/AOCCの横田移転と共同使用の流れが固まりました。
その後、幕僚長となってからも、田母神空将は、この件を積極的に進める立場でした。
そのため、その功績が認められ、今年8月15日に、米大統領からの「リージョン・オブ・メリット・ディグリー・オブ・コマンダー(司令官級勲功章)」を贈呈されています。
http://www.asagumo-news.com/news/200808/080828/08082808.html
今回の論文が、シビリアンコントロール上の問題と見る向きもありますが、田母神空将は、政府の歴史認識に異なる思想をもちつつも、官僚として求められていたことについては、求められる以上の仕事をして来ています。
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