原子力の日とアフガン自衛隊派遣
昨日(10月26日)は、原子力の日でした。
文部科学省と資源エネルギー庁が、ポスターコンクールなんかもやっていました。
http://1026.go.jp/
このブログでは、軍事・防衛関係の話題を扱っているので、核兵器について書いても良いのですが、今回はエネルギー安全保障の観点から書いてみたいと思います。
ここ数週は下落傾向ですが、昨年あたりから続く原油高のおかげで、ここのところ石油以外のエネルギーには追い風吹いています。
原油高自体は喜べる話ではないのですが、エネルギー安保についての世論には、良い影響を与えていると思えます。
原子力についても、2酸化炭素を出さないこともあって、最近では「クリーンなエネルギー」とさえ言われています。
原発をなくすとまで言っていたドイツでも、考えを改めるようですし、核廃棄物の処理問題さえ解決すれば、「言うことなし」のようにも見えます。
しかし日本国内では、原油の確保が出来ないことと同様に、ウランの確保も出来ません。
現在、ウランの国内生産量はゼロであり、全量を輸入に頼っている状況です。
輸入元は、オーストラリアとカナダで全体の6割を占める状況です。
輸入元の偏りが激しいため、政府としては、カザフスタンとの関係強化を進め、同国も主要輸入元とすべく活動中です
ウラン資源の埋蔵量などは、次のサイトを参考にして下さい。
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2007energyhtml/html/1-2-1-6.html
カザフとの関係強化自体は、悪い話ではないのですが、ここでも政府の安全保障感覚はまだ少し問題があるように思えます。
主要輸入元を広げることは、リスクヘッジになります。ですが、それは安定的な供給を期待できる国であればこそです。
カザフといくら関係強化できようとも、輸送ルートに不安があるままでは、カザフに頼ることは問題があると言わざるを得ません。
ちょっと地図を見ていただければ分かりますが、カザフはユーラシア大陸の中央で、西と北はロシア、東は中国、南はアフガンなどの中央アジア諸国に囲まれています。
多少なりともまともそうなルートは、南西のカスピ海を経て、アゼルバイジャン、アルメニア、トルコに至るルートですが、このルートでもアゼルバイジャン、アルメニア間のナゴルノ・カラバフをめぐる紛争、トルコ西部のクルド問題などがあり、とてもまともなルートとは言えません。(土地も峻厳)
しかし、中国やロシアをあてにはできない以上、ないものは作るしかないでしょう。
アフガン(とパキスタン)が安定すれば、ウズベキスタン、タジキスタンなど多少の問題ですむ国経由でインド洋に続くルートが出来ます。
先日も書いたとおり、来年度予算の概算要求にCH-47を改修する費用も盛り込んであります。
なによりも、日本の国益のため、アフガンの安定化に努力するべきではないでしょうか。
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