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2008年9月15日 (月)

与那国島への自衛隊配備

前回の記事で沖縄の対自衛隊感情について書いたばかりですが、与那国島で自衛隊の誘致活動が行われているというニュースがあったので、今回は与那国島への自衛隊配備について書きます。


ニュースの内容は、与那国防衛協会が与那国町の人口の30%に及ぶ署名とともに、町と町議会に対して自衛隊の誘致要請を行ったというものでした。

掲載紙は、八重山毎日新聞の9月13日付です。
http://www.y-mainichi.co.jp/news/11928/
また、この誘致活動が、来年の町長選挙にも影響するという記事も載っています。
http://www.y-mainichi.co.jp/news/11925/


誘致活動が行われている理由は、中台関係や不審者(船)などに対する対応能力への不安がある他、町の過疎化対策や活性化という側面があるようですが、記事では専ら補助金などによる町の活性化についてばかり書かれています。


住民の治安面での不安や補助金などについては、次のサイトが詳しいのでコチラをご覧下さい。
http://naha.cool.ne.jp/nanao320/topics/topics08.htm


このブログでは、与那国島に自衛隊を配備する場合の部隊種別や規模、その効果について書きます。


配備した場合、最も効果の高い部隊は、空自のレーダーサイトです。
現在あるレーダーサイトは、宮古島の第53警戒隊が最も南西にあるサイトとなります。次は沖縄本島与座岳にある第56警戒郡と久米島の第54警戒隊になるので、宮古の53警隊が非常に重要な役割を担っていることになります。
尖閣との位置関係で言えば、宮古島と与那国島は大差無いので、尖閣諸島の上空に関しては与那国島にサイトを建設してもそれほど大きな影響はありません。
しかし、尖閣諸島をめぐる衝突発生時や平時の離島警備に関して言えば、与那国島にサイトを建設する意義は非常に大きいものがあります。


尖閣や与那国島は、宮古島から150マイル近くもの距離があり、53警隊のレーダーでも中高度以下は見えません。
彼我不明機が高高度を飛行していたとしても、53警隊が探知できるのは、尖閣や与那国まで100マイルを切ってからということです。
尖閣や与那国は、スクランブル機が上がる那覇から250マイル以上もあるため、今年度末に配備機がF-15に変わったところで、スクランブルでは到底間に合わないということになります。(情勢緊迫時はCAPが必要ということ)
加えて中国や台湾は、平時の偵察活動を通じて(ESMや那覇からスクランブル機が上がるタイミング)、53警隊のレーダー覆域をある程度把握しています。その下を飛行されれば、こちらは気が付くことさえできません。


もしも与那国にレーダーサイトがあれば、与那国からは台湾の山が見える位ですので、台湾による活動は、LO-LO-LOでない限りすぐに把握できます。中国機が尖閣に接近する場合も、同様です。


加えて、平時ではADIZやFIRの境界問題がありますが、レーダーで早期に情報が得られれば、現実的な問題は回避できます。


中台危機の場合、台北は宮古島から200マイル以上もあり、通常の航空活動を監視することは不可能です。
与那国にサイトがあれば、台北を含めた台湾北部の状況をかなり把握できます。
これからサイトを作るとなれば、おそらくFPS-5になるでしょうから、中国が台湾に打ち込むSRBMもほとんどが捕捉できるはずです。そして、その情報はJADGEを通じてリアルタイムで米軍にも流れることになります。(日本政府が積極的に意図しなくても、台湾と米軍を支援することになる。日本に対する攻撃も警戒する必要が生じるため、止めることも出来ない。)
ただし、与那国にガメラレーダーを建設するためには、おそらく発電設備の建設などが必要になります。(町はその方が喜ぶ?)


レーダーサイトを設置するとなれば100人以上の自衛官が常駐することになるため、不審船が来航した場合などでも、警察の支援に十分以上の貢献ができるでしょう。
(現在は島にある武器が拳銃2丁と言われる。それが小銃100丁以上になる。近年は空自も基地警備能力を向上させているため、陸自の1個小隊程度の能力にはなる?)
しかし、サイトを新たに建設するとなれば、費用的にも相当になる上、防衛計画の大綱別表に示された基幹部隊数も変更しなければならないため、ハードルは極めて高いと思われます。


レーダーサイト以外には、2000mに延長された与那国空港の滑走路を利用して、航空部隊を配備する可能性も考えられます。
しかし、戦闘機を運用するには滑走路長が十分とは言い難い上、レーダーサイトなしに戦闘機部隊を配備しても効果が薄いでしょう。
海自の哨戒機(P-3やP-X)を配備しても良いですが、足(航続距離)がある上、水上、水中目標は速度が遅いため、那覇からの運用でもそれほど問題がありません。
となると、陸自のヘリや連絡偵察機ですが、島に普通化部隊も配備されるなら、有効な機動力となるでしょう。尖閣が紛争の場になれば、数時間で陸自部隊を上陸させられるため、前進待機する意義は十分にあります。
島の人々にとっては、急患空輸にも威力を発揮するため、もっともありがたい部隊かもしれません。


海自の水上艦艇を配備してパトロールすれば、不審船監視などでは威力を発揮するでしょうが、これは一義的には海上保安庁の任務です。
(海保の小型艦艇、あるいはヘリの常駐はやるべきだと思う)


これ以外となると、もう陸自の普通化部隊しかないでしょう。沿岸監視レーダーを装備した普通化部隊は、島民の安全確保のためには最良ですが、噂されていた宮古島駐屯も現実とはなっていないため、なかなか難しそうです。
配備するとなれば、最低でも1個中隊規模になるでしょうから、家族も含めると島民は10%から20%程度増えることになります。


これまでは、住民の反対を言い訳として、日本政府は南西地域をあまりにも軽視してきたように思えます。
しかし、これからはそれも通用しないでしょう。
与那国への自衛隊配備は、軍事的には意義のあることです。たとえ住民の賛成が得られなくともきちっと検討すべき事項です。

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