副官のお仕事 その2
前回は、副官と副官付の位置付けを書いたので、今回は副官の実際のお仕事(任務)について、1日のスケジュールを追って書いてみます。
一応お断りしておきますが、以下は、空自の一般的な副官について書いています。見知っている限りでは、陸海もそう違わないようですが、異なる場合もあるでしょう。
一般的に、幕僚よりも30分から1時間程度は早く登庁します。他の部課と異なり、普通朝礼などは行いませんが、副官付との打ち合わせは必須です。指揮官自身の登庁は遅めですが、出迎えるだけでなく、大抵は専属ドライバーが官舎に迎えに行く際に同行します。
指揮官が登庁すれば、女性の副官付がお茶を出すとともに、一日のスケジュールについて報告します。(迎えの車内で済ます方も多し)朝食を登庁してから食べる指揮官の場合、お茶ではなく食事を出すことになります。
その後、特に行事のない日であれば、続々と決裁を仰ぎに幕僚が訪れます。副官は、アポイントの有無、役職などを勘案して、幕僚が決裁を受けるために入室する順序をコントロールします。内容の重要度や緊急性も勘案するので、部隊全体の動きを承知していることも必要です。そのためには、決裁を受ける文書の内容を見せてもらうことも良くあります。
指揮官の昼食は大抵が会食なので、食堂まで同行し、指揮官の食事の間に自分も食事を取ります。給仕については、食堂のスタッフが行うので、副官が手を出すことはありません。指揮官が執務室に帰る際、当然随行しなければならないため、自分は急いで食べます。指揮官もそれは分かっているので、あまり早く食べ終わる方は少ないですが、中には例外もおられるので、そういう方に付いた場合は大変です。
自衛隊の食堂は、日替わりの単一メニューをセルフサービルで取ります。時間的に集中するので、かなり並ぶのが常です。しかし、副官と専属ドライバーは割り込みOKで最優先で食べることが出来ます。
午後のスケジュールも、午前同様ですが、指揮官自身も体力維持のためにトレーニングが入ることが普通です。トレーニングメニューはそれぞれですが、副官もこれに同行します。携帯電話を携行し、指揮官に緊急連絡を伝えることが任務ですが、単なる付き合いという側面もあります。
午後の執務が終わり、指揮官が退庁する際も、官舎まで同行することが普通です。
その後、副官室に戻り、翌日以降の準備をすることになりますが、この流れにならないケースも非常に多くなります。
指揮官が、部内外の夜の会合に参加するからです。役職などで差異はありますが、基地司令など部外との関わりが多い職務の場合、ほぼ毎日という方もおられます。
副官は、午後のトレーニングと同様で、緊急連絡を伝えることを含め、大抵は同行することになります。任務終了は指揮官を官舎に送り届けるまでです。
当然ですが、1日の勤務時間は非常に長くなります。部内外のVIPと関るため、気も使います。私が知る限り、希望して副官に付いたという方は聞いたことがありません。
また、勤務時間が長くても、手当て(給与の一部)はありません。
しかし、良い点もあります。指揮官に余程嫌われない限り、次の補職(勤務先)については、かなり希望にそった配置がして貰えます。
他にも、ある意味おいしい思いが出来るというメリットもあるのですが、それらは次回以降に書きたいと思います。
一応お断りしておきますが、以下は、空自の一般的な副官について書いています。見知っている限りでは、陸海もそう違わないようですが、異なる場合もあるでしょう。
一般的に、幕僚よりも30分から1時間程度は早く登庁します。他の部課と異なり、普通朝礼などは行いませんが、副官付との打ち合わせは必須です。指揮官自身の登庁は遅めですが、出迎えるだけでなく、大抵は専属ドライバーが官舎に迎えに行く際に同行します。
指揮官が登庁すれば、女性の副官付がお茶を出すとともに、一日のスケジュールについて報告します。(迎えの車内で済ます方も多し)朝食を登庁してから食べる指揮官の場合、お茶ではなく食事を出すことになります。
その後、特に行事のない日であれば、続々と決裁を仰ぎに幕僚が訪れます。副官は、アポイントの有無、役職などを勘案して、幕僚が決裁を受けるために入室する順序をコントロールします。内容の重要度や緊急性も勘案するので、部隊全体の動きを承知していることも必要です。そのためには、決裁を受ける文書の内容を見せてもらうことも良くあります。
指揮官の昼食は大抵が会食なので、食堂まで同行し、指揮官の食事の間に自分も食事を取ります。給仕については、食堂のスタッフが行うので、副官が手を出すことはありません。指揮官が執務室に帰る際、当然随行しなければならないため、自分は急いで食べます。指揮官もそれは分かっているので、あまり早く食べ終わる方は少ないですが、中には例外もおられるので、そういう方に付いた場合は大変です。
自衛隊の食堂は、日替わりの単一メニューをセルフサービルで取ります。時間的に集中するので、かなり並ぶのが常です。しかし、副官と専属ドライバーは割り込みOKで最優先で食べることが出来ます。
午後のスケジュールも、午前同様ですが、指揮官自身も体力維持のためにトレーニングが入ることが普通です。トレーニングメニューはそれぞれですが、副官もこれに同行します。携帯電話を携行し、指揮官に緊急連絡を伝えることが任務ですが、単なる付き合いという側面もあります。
午後の執務が終わり、指揮官が退庁する際も、官舎まで同行することが普通です。
その後、副官室に戻り、翌日以降の準備をすることになりますが、この流れにならないケースも非常に多くなります。
指揮官が、部内外の夜の会合に参加するからです。役職などで差異はありますが、基地司令など部外との関わりが多い職務の場合、ほぼ毎日という方もおられます。
副官は、午後のトレーニングと同様で、緊急連絡を伝えることを含め、大抵は同行することになります。任務終了は指揮官を官舎に送り届けるまでです。
当然ですが、1日の勤務時間は非常に長くなります。部内外のVIPと関るため、気も使います。私が知る限り、希望して副官に付いたという方は聞いたことがありません。
また、勤務時間が長くても、手当て(給与の一部)はありません。
しかし、良い点もあります。指揮官に余程嫌われない限り、次の補職(勤務先)については、かなり希望にそった配置がして貰えます。
他にも、ある意味おいしい思いが出来るというメリットもあるのですが、それらは次回以降に書きたいと思います。
« H21概算要求-第1混成団の旅団化 | トップページ | H21概算要求-防衛省改革 »
「自衛隊の子ネタ」カテゴリの記事
- 終戦の日の自衛隊(2014.08.21)
- 官品被服を誉めないで!(2012.11.28)
- 不安と緊張の行進訓練(2012.06.30)
- 自衛隊用語「煙缶」(2012.05.18)
- 階級詐称(2012.03.06)
>指揮官が登庁すれば、女性の副官付がお茶を出すとともに
びっくりしました!自衛隊ではまだ女にお茶汲みをさせているのですね。
すごい男尊女卑の組織なんですね~アメリカの軍隊じゃ女の人がそんなことをすることは絶対に無いしセクハラになりますが、日本の自衛隊はそうじゃないんですね。勉強になりました!ありがとうございます。
投稿: | 2018年2月28日 (水) 23時03分
悪びれも隠しもせず、平然と「女性の副官付」と記述するところに、この組織の異常さが現れていますね。
「どうせ女はお茶汲みくらいしか役に立たねーんだからよwww」という男の内心がとてもよくわかります。
投稿: | 2018年2月28日 (水) 23時14分
幹部の性別に合わせるので,女性の高級幹部なら女性の副官をつけることになるのでは,という記述もありましたが。。。
投稿: わお | 2018年3月26日 (月) 12時59分
名無し 様
わお 様
ことの是非は置いておきますが、現状はここに書いたような感じです。
ですが、男性がお茶を出すこともあります。
投稿: 数多久遠 | 2018年4月25日 (水) 18時42分