ブログランキング&ツイッター

  • 軍事・防衛 ブログランキング
  • ツイッター

« 自衛隊内における戦車無用論 | トップページ | 北朝鮮特殊部隊の隠密潜入用航空機 »

2008年7月 6日 (日)

単純なシミュ結果でF-X選定はできない

「次期F-Xについて考えるスレ」に各候補機の戦闘シミュレーションの結果が転載されていました。


>米国が実施したSu-27/Su-35との戦闘シミュレーション結果(被撃率)
>U.S. F-22 10.1 : 1 (10.1 Su-35s lost for each F-22)
>European Typhoon 4.5 : 1
>French Rafale 1.0 : 1
>Russian Su-35 1.0 : 1
>U.S. F-15C 0.8 : 1
>U.S. F-18D 0.4 : 1
>U.S. F-18C 0.3 : 1
>U.S. F-16C 0.3 : 1


>イギリス防衛評価研究所(DERA)の試算
>---------------------------------
>改良型Su-27(Su-35相当)との性能比較
>F/A-22 "Raptor"        9:1 - 10:1
>Eurofighter Typhoon       3:1 - 4.5:1
>F-15 modernisiert(J改相当) 1.5:1
>F-15E "Strike Eagle"     1.2:1
>Rafale               1:1
>F-18E/F "Super Hornet"   1:1.2 - 1:3
>F-15C "Eagle"(pre相当)   1:1.3
>Gripen               1:1.5
>F-18C "Hornet"         1:3.8
>F-16C "Falcon" (Block 40)  1:3.8


ソースはコチラ
http://www.airpower.at/flugzeuge/eurofighter/faq.htm
http://www.eurofighter-typhoon.co.uk/Eurofighter/tech.php


妥当性が怪しいことは、みなさん分かっているのですが、議論の大勢は、概ねこんな所だろう、という感じでした。
加えて、正確な型(A型とかC型という型の種別、型が違うと戦力は全く別物ということがよくある)が分からないと、比べられないと言う意見と、交戦条件も分からないと、という書き込みがありましたが、詳しくは言及されていなかったので、次の通り書き込みました。


---------------------------------


型の事は別の方が書かれている通りだと思いますし、それ以上に交戦条件が重要でしょう。
仮にデータが正しいとしても、基本的に次の条件下でのことだと思います。
・同数
・同高度
・残燃料共に十分
・管制支援共になし(or共にあり)
・許容リスク同等(どれだけ危険を冒して敵を撃墜しに行くかということ)


で、当然ですが実際にはこんな戦闘は起こらないでしょう。
自衛隊は基本的に防空なので、仮に中国が相手だとすると、中国がAWACSの運用をてこずっている(いろいろ購入したり開発したりしているが苦しんでいる模様)間は、GCIやAWACSの支援を一方的に受けられることになります。
一方、状況としてはストライクパッケージのスウィーパーやエスコートを相手にしていることが予想され、当然早く攻撃機の対処に向かわざるを得ないため、リスクの高い戦闘を強要されます。


とすると結論は、
防衛省が持っているシミュレータとかで実際に敵の侵攻シナリオを流さないことには、サッパリ分からない
となってしまうように思います。
シミュ結果は当然秘密なんでしょうが、F-Xの選定問題は、今後の防衛環境のカギになるはずです。


防衛省には、ある程度の条件と結果を公開して機種選定をする義務があると思います。


---------------------------------


これに対して、「本土防衛なら異論はないが離島防衛となるとどうだろうか。」という疑問が出されていました。
良い質問だと思います。
で、次のように回答しました。


---------------------------------


条件が異なるので、当然結果は違ってくると思います。


たとえば尖閣を巡る争いのシナリオにしても、飛行場が那覇なのか、あるいは下地島なのかでは、航続性能や巡航性能まで結果に関ってくるため、全く異なる結果になると思います。
基地が那覇なら、F-22かせめてタイフーンでないと、とてもまともな結果は出ないような気がします。


単純に尖閣上空の航空優勢確保が目的なら、リスクを犯す必要性は低いですから、防空以上に機体の性能差が極端に出るように思います。
しかし、上陸した陸上部隊や、海自艦隊が近くにいるケースでも、また結果は異なるのではないでしょうか。
海自艦隊の護衛ならば、それこそ中国沿岸まで接近しなければならないかも知れません。


---------------------------------


防衛省自衛隊の中には、「防衛問題の細かいところは専門家に任せろ」的な雰囲気が強いように思います。
もちろん、本当に専門的な部分はそうなるのですが、F-X選定は日本防衛のドクトリンを如何するかにも関ってくる重要な問題です。(これからも防空オンリーを続けるか否かなどの点)
広報は、装備や訓練風景を見せるだけでは不足なハズです。
そういう思いもあって「日本海クライシス2012」を公開しています。


また、このレスポンスに対して、「離島はイージス艦を派遣しておけば簡単に制空権を確保できる」という書き込みがされてました。基本的に知識不足だと思いましたが、多数の方から「そんなの無理」的な書き込みがあったので、私自身は何も書きませんでした。
ご要望があれば、ブログの中ででも書きます。
また、「日本海クライシス2012」の中でも、イージスの防空能力について、いくらか触れています。

« 自衛隊内における戦車無用論 | トップページ | 北朝鮮特殊部隊の隠密潜入用航空機 »

F-X選定問題」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 単純なシミュ結果でF-X選定はできない:

« 自衛隊内における戦車無用論 | トップページ | 北朝鮮特殊部隊の隠密潜入用航空機 »

アマゾン

  • 航空自衛隊 副官 怜於奈3
  • ルーシ・コネクション 青年外交官 芦沢行人
  • 航空自衛隊 副官 怜於奈2
  • 機巧のテロリスト
  • 航空自衛隊 副官 怜於奈
  • 北方領土秘録 外交という名の戦場
  • 深淵の覇者 新鋭潜水艦こくりゅう「尖閣」出撃 (文庫)
  • 半島へ 陸自山岳連隊
  • 黎明の笛 陸自特殊部隊「竹島」奪還 (文庫)
  • 深淵の覇者

最近のトラックバック

ブックマーク、RSS