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2008年6月21日 (土)

ロックオンされた事の認識方法

時々2チャンネルの軍事板で質問に答える事があります。
結構苦労して書いても、直ぐにスレッドが流れてしまうので、こちらに転記して保存することにしました。
そんなわけで、前回の予告から内容を変更して、今回はロックオンされた事の認識方法について書きます。

質問は、軍用機がロックオンを感知する方法について、どうやってミサイルを撃たれる前に感知するのか、という内容でした。

それに対する回答として、次のように答えました。
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おそらくレーダー誘導ミサイルについての質問かと思いますので,
レーダー誘導ミサイルについて回答します。

戦闘機や攻撃機の場合、大抵はRWRと呼ばれるレーダー波をキャッチし、警報を発する装置が付いてます。
このRWRが、敵がロックオンした状態の時に発するレーダー波を照射された時に警報を出すように設定するわけですが、

相手がセミアクティブレーダーホーミングミサイルを使用している場合、照射されるレーダー波は一般的に次のような段階を経ます。(空対空、地対空問わず)
各種の捜索モード(発見まで)→追随モード→ミサイル誘導のための追随モード(この段階が不要なものもあり)
→ミサイル誘導モード→終末期のミサイル誘導モード(この段階が不要なものもあり)
この時、ミサイル誘導モード時のレーダーを照射、追随することを通常ロックオンと呼んでおり、多くの場合、ミサイル発射前にこの状態にしてから、ミサイルを発射します。
このため、このミサイル誘導モード時のレーダー波パターンをRWRに設定しておけば、敵がミサイルを発射する前にロックオンされたことを知ることができます。
ただし、ここで「設定しておけば」と書いたとおり、事前に電子戦の成果として敵が使用するレーダーのミサイル誘導モード時のレーダーパターンが判っていなければ、RWRを積んでいてもロックオンを感知することはできません。
また一部のミサイルでは、このミサイル誘導モードが存在せず、通常の誘導モードのままミサイルを発射し、ミサイルにはデータリンクでコマンドを送信して誘導するものもあります。
この場合、データリンクのデジタルデータまで解析して警報を出すことは困難でRWRには通常の追随モードのレーダーパターンをセットするしかないわけですが、単に追随されているだけなのか、ミサイルが発射される(された)状態なのか判断できないことになります。

相手がアクティブレーダーホーミングミサイルを使用している場合は、もう少し複雑です。
照射されるレーダー波は次のような段階を経ます。
(機上、地上レーダーによる)
各種の捜索モード(発見まで)→追随モード→ミサイル誘導のための追随モード(おそらくこの段階が不要なものが多い)
(ミサイルシーカーによる)
→追随モード→終末期のミサイル誘導モード(この段階が不要なものもあり)
ミサイルの発射は、機上または地上レーダーが追随モードかミサイル誘導のための追随モードになってからですが、通常この段階では、ミサイルシーカーによる追随は、まだ行われておりません。
ミサイルの発射以後、しばらくはミサイルに対してデータリンクで誘導を行います。
大抵の場合、セミアクティブミサイルのような、機上または地上レーダーによるミサイル誘導モードがないため、
RWRには、機上または地上レーダーによる追随モードとミサイルシーカーによる追随モードをセットすることになります。
警報は、強度の異なる2段階の警報を出すことになるわけですが、機上または地上レーダーによる追随モード時の警報は、単に追随されているだけなのか、ミサイルが発射される(された)状態なのか判断できません。
ミサイルシーカーによる追随モード時の警報は、ミサイルがかなりの距離まで接近している状態のため、
この段階からの回避は、困難な場合が多くなります。
また、発射前にミサイルシーカーによる追随を行ってから発射する場合もありますが、当然ながらこの場合は距離が近く、回避は困難です。

RWRを搭載していても、データリンクで誘導するセミアクティブ方式のミサイルや、アクティブ方式のミサイルの脅威を知ることはなかなか難しいと言えます。

また、ジャミング波に向かって誘導するオンボードのパッシブ誘導機能を備えたミサイルの場合、
自分からジャミング波を出しているとミサイルが命中するその時まで、ミサイル発射を感知できません。

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他の記事も掘り返してみます。

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