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2008年6月28日 (土)

AAMで接近するSAMを迎撃できる?

ルックダウン・シュートダウンが可能な軍用機が、 搭載ミサイルで自機を狙うSAMを撃ち落す事が可能なのか?
という質問が出てました。

リアクションタイムの必要性などから、可能性としては有るかもしれないとの回答もあったのですが、ほぼ0なので、次のように回答しました。

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(可能性があるとしても)限りなく0に近い可能性でしかありません。

・ミサイルのRCSは、航空機と比べると極端に小さいため、地上(海上)設置レーダーと比べて出力の小さい機上レーダーでは捕捉できる可能性が低い
・SAMの到達までに、AAMのリアクションタイムを消化して、ミサイルシュートできる可能性が低い。 SAMの加速は数十Gで、あっという間にマック3~5程度まで加速する。(長射程のSAMを遠距離で発射された場合は、ミサイルシュートできる可能性があるが、その状況なら逃げた方が確実)
・ミサイルシュートできたとしても、AAMのシーカーがSAMを捕捉できるとは限らない。 AAMが赤外線誘導の場合も、大抵のSAMのロケットモーターの燃焼時間が短く、遠距離で発射された場合は、SAMが途中から慣性と位置エネルギーを速度エネルギーに変換して飛翔する(長射程SAMのトラジェクトリーは放物軌道に近い)ため、赤外線放射が小さく(空気との摩擦熱のみ)ロックオンできる可能性は低い。
・仮にAAMのシーカーがSAMを捕捉できたとしても、直撃できる可能性は極めて低い。 直撃しない場合、近接作動信管が無いAAMは無論、有る場合もRCSの問題から作動しない可能性がある。さらに、近接作動信管が作動する近距離を通過した場合も、SAMとAAMの相対速度が容易にマック5を越える高速のため、両者がすれ違った後にAAMの弾頭が起爆する。

特に、最後の信管作動の問題から、可能性はほぼ0と言えます。
ちなみに、途中で書いたとおり、長射程SAMのトラジェクトリーは、上空に打ち上げてから、空気密度の低い上空を通過して打ち下ろす形になるため、AAM側からすればルックダウン、シュートダウンではなくなります。
また逆に、弾道ミサイル対処能力のあるSAMの場合は、ASMを迎撃できる可能性があります。

AAMでのSAM迎撃はほぼ不可能ですが、ラプターやライトニングⅡでは、搭載レーダーによってSAMシーカーを狂わす(OR電子的に破壊する)ことによってSAMを無力化できる可能性があるようです。

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航空機について詳しい方は結構いますが、ミサイルのことまで詳しい方は少ないですね。

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